Stage1

レッスン3《表現力》「構成」

小論文の書き方・書き出し・終わり方・結びと序論・本論・結論の文章構成

平成31年度一般入試後期日程小論文(経営学部)出題のねらい

構成は、文字数、出題者の問いの読み取り、課題文を踏まえると自然に決まっていくことだとおもいますが。

書き出しと終わり方ー序論本論結論の段落構成とは?

群馬県立女子大学の出題意図にある「構成をととのえて」に該当します。「わかりやすさ」のためにも、大切です。

 

「論文」に習った構成ー小論文という場に「私」が座る

  • 小論文で求められている「私」の姿を理解する。
  • 「出題者」が「踏まえて」と書く理由を理解する。
  • 小論文を書く作法(直流メッセージ)を知る。←今ココ

この記事の結論は「小論文かくなら直流メッセージ!!!」です。

 

確認ですが、、小論文は「論文」です(とおとのねさんは思っています)。

九州大学のAO入試では募集要項の中で「論文」という言葉を使っています。

小論文は,講義・レポートや討論を踏まえ,総合的に「論文」(記録や感想ではありません)としてまとめて作成します。(約240分の間)九州大学AO入試入学者選抜要項

広島大学では、モロに「論文」の体裁を要求しています。

問:生活・暮らしに関する五つの資料から読み取った内容を踏まえて、自分の論旨にふさわしい題(タイトル)を解答用紙の冒頭にある所定欄に記し、1,200字以内で小論文を作成しなさい。その際、少なくとも3つの資料を取り上げ、言及した資料の番号を全て回答用紙の末尾にある所定の欄に記入すること。(広島大学総合科学部)

論文に習った構成で「伝えたいこと」を「伝える」

大学生の書く論文は次のようになります。

小論文を採点する大学教授も毎日(?)こういう論文を読んでいます。

  • 序論:論文の目的、意義、範囲、調査・研究の背景、論文の構成を書く。
  • 本論:序論に書いた問いへの答えを導き出すプロセス(調査・実験結果)、結果と考察を書く
  • 結論:本論のまとめと課題・展望を書く

論理的な書き方、というのは「論文」の体裁をとっているもだと理解してください。

 

おとのねさんはこれを小論文と対応させて次のように書きました。

  1. 《はじめに》何を論じるか表明する Declare
  2. その内容を書く(実際に論じる)Contents
  3. 《むすび》最後のメッセージを伝える Message

declareは「言い放つ、 宣言、 言いきる、 言明、 断言、 宣する、 明言、 言放つ、 確言、 言い切る」という意味を持ちます。

declare that SV でなんでも表明できます。

declare against…で何かに対する反対の表明ができます。

declare for…で賛成の表明ができます。

 

DCM・・・直流メッセージ!!!!????

これジョブズのスピーチなんかでも使われているような・・・

 

『レポート・論文の書き方入門』で河野哲也さんは次のように述べています。(p.32)
(1)まず、論文とはコミュニケーションの一形態で、それも複数の人間に読まれることを想定した公共性を持った文章表現です。
(2)論文において筆者は、あるテーマのもとで問題を立て(「序論」)、それについて論理的・実証的に論述を展開し(「本論」)、最終的に提出した問題に解答(「結論」)を与えなくてはなりません。
(3)論文の目的は、論理的・実証的論述によって、読者に対して自分の結論的主張を説得し、納得させることです。

この流れを、直流メッセージDCMと僕が勝手に名付けただけです。序論・本論・結論は論文の基本的な書き方です。

レポート・論文の書き方入門 第4版

序論《書き出し》小論文で「伝えたいこと」を書く

 「考える」ための小論文

私たちは主題についてあれこれと連想するが、それをダラダラ書いていくだけでは論文 とはいえない。さっきの「連想過程」も、あれだけではまだはっきりした主張にたどりつ いてはいない。さらに連想を続けて、何かの明確な主張(イイタイコト)にたどりついた とき、初めて論文を書き出すことができる。たとえば連想を続けたあげく、「想像力は人 間の生の全体を染め上げていて、それを動物の生とは違ったきわめて複雑なものにしてい る」という主張へとたどりついたなら、そのときには一気に書きおろしていけばよい。 主張(イイタイコト)は、なるべく一個の命題のかたちに絞ること。全体としてなんと なくイイタイコトがわかる、という書き方は避けたい。主張の「核」を表す文を一個入れ ないと気持ちが悪い、という習慣を身につけよう。この主張の「核」は、論のいちばん前 か、いちばん後におくのがふつうである。 (『「考える」ための小論文』p.27)

主題は、たとえそれが与えられていたとしても、あらた めてそれを「自分の主題」として自分なりに立てるところから出発しなければならない、 ということだ。言い換えれば、与えられた主題と「自分」とがクロスするところに、論述 の出発点としての主題がある。まずこのことを肝に銘じてほしい。さもないと、次に說明 する「イイタイコト」が自分のなかから出てこないということになりかねない。 次に、その「主題」について「要するに何を言いたいのか」がはっきりとひとつ存在しなければならない。「主張の核」とか「論の中心」とか言いようはいろいろあるが、要するに答案のなかのすべての言葉がそのことを言うためにだけあるようなイイタイコトの核心が見えていなければならない。これのない文章、要するに何を言いたいのか」がわか らないものは、主題が明らかでないものと同様、論文として成立していないと見なされる。

小論文は、五百字から八百字くらいでまとめることを要求される。(ひどいことに三、四 百字という場合もある。)長くても千二百字がせいぜいだ。したがって、必然的に主題はひ とつ、イイタイコトもひとつ。このことを意識しないと「論文として成立しない」事態を 引き起こすことになりがちだ。「二兎を追うものは一兎をも得ず」どころか、実際、限られた字数のなかでは「一兎を追う」のだって大変なことなのだ。

まず主題を自分のものとしてつかまえ直し、イイタイコトを見いださなければならない。 この二つが「発想」段階での仕事になる。しかし、これがじつはそう簡単なことではない。(『「考える」ための小論文』p.97)

大学の出題意図に見る「書き出し」の重要性

小樽商科大学の2020年夜間主推薦・社会人入試小論文の出題意図には次のように書かれています。

「理由・根拠」「自らの主張」を書く場所が《書き出し》です。(《本文》に書くこともできます)

県立広島大学の前期総合問題Aの「主張(伝えたいこと)」を「明確」に伝えるのが、序論です。

「明示」することで「説得力」がでます。

一石二鳥、山頂、四町です。

 

  1. 《はじめに》何を論じるか(論点を)表明する Declare←今ココ
  2. 《本文》その内容を書く(実際に論じる)Contents
  3. 《むすび》最後のメッセージを伝える Message

《はじめに》は美術館の案内図みたいなものです。

「ここには何があるのか」「どんなものが見られるのか」を《はじめに》伝えます。

 

「論点」の重要性は学びエイドで解説されていました。参考にしてみてください。

【講義編】難関大小論文対策 第2章 思考・論述のプロセス / 2-2 基本的な思考プロセス根岸 大輔

 

小論文に強くなる

経済の文章のポンと言い切る「書き出し」を一つ紹介しよう。

バブル経済崩壊後、各界の専門家たちの示した「景気回復シナリオ」が、ことごと く現実によって裏切られてきている。 (内橋克人「作る技術から使う技術への大転換」、『同時代への発言7 九○年代不況の帰結』岩 波書店、から)

そのときの状況が、パッとまとめて、簡潔に記されている。これだけ書けば、あとは、 「裏切っている現実」を紹介し、専門家たちの「景気回復シナリオ」が裏切られているの は「なぜ?」なのかを書いていけば、あなた「小論文」はみごとに完成する。 「パッとまとめ」るためには、日常の観察が大切だし、「簡潔に記す」には、観察のたび に、「なぜだ?」を考えておくこと。 『小論文に強くなる』轡田 隆史 p.221

たとえば次の問いがあります。

問:文章に掲載されている事例、あるいは近年のフェイクニュースの事例を参考にして、「民主主義」と「言論空間」の関係について説明するとともに、そのあり方についてのあなたの考えを800字以内で述べなさい。(千葉大学教育学部2018)

前半部分は「要約」です。

後半部分であなたの考えを求めています。

何を書きたいですか?

ここで「主体性」が試されます。教育学部だから、。。。。

たとえば!「私」の視点(論点)を具体的にしてみましょう。そうすると、例えば次のようになります。

Declare :宣言 

学校という場における「民主主義」と「言論空間」という点で論じる。

どうですか。
ちゃんと、踏んでいますね?

筆者とは独立しているので、踏まえた上で、さらに必要な論理を追加しても構いません。

(論理って何でしょうか)

宣言の中で、「テーマ」を絞ったり、「論点」を絞ったり、どんな「論」を進めるのかを述べるのです。そしてこの宣言を支えているのはもちろん【主体性ある論理的思考】です

 

「出題者」は「私」の意見を聞いています

小論文を書くのは、小論文という議論の場にいるのは、意見をするのは、主体性ある「私」です。

 

小論文という議論の場を思い浮かべてください。

まず、「筆者」が何かを話しています(いない場合もありますが)。

次に、ファシリテーター役の「出題者」があなたに問いかけました。

「私」はどう答えますか。

この答え方に「出題者」の指示があれば、従いましょう。

基礎基本は、主体性ある「私」の自由です。

そして、自分が「語り」終えた後、逆に問いを投げかけても良し、ユーモアで場を和ませるのもよし。自分の主張を繰り返してまとめるのもよし。何かを提案してもよし

それこそ、主体的に書いてください。

例えば、次のように書き足すのです。

Declare :宣言 

学校という場における「民主主義」と「言論空間」という点で論じる。そのあり方について…であるべきだと主張し、その理由を3つに分けて述べることにする。

よくある理由述べるタイプですね。

こう書いてもいいでしょう。

Declare :宣言 

学校という場における「民主主義」と「言論空間」という点で論じる。そのあり方について…であるべきだと主張し、その理由を3つに分けて述べるとともに、あるべき姿を実現するために必要な取り組みをそれぞれ論じる。

課題をあげ、という部分を具体的に表現してもいいでしょう。

あなたならどんな書き方をするのでしょうか。

おとのねさんはワクワクしています。

「私」は、何を書きたいですか

論文で実際に要求される「序論」が次のように書かれている本があります。参考までに。

序論で書くべきこと(『これからレポート・卒論を書く若者のために』酒井聡樹 p.14)

  • 何を前にして
  • どういう問題に通り組むのか
  • 取り組む理由は
  • どういう着眼で(着眼理由も)
  • 何をやるのか。

これからレポート・卒論を書く若者のために

 

採点者は忙しい。

執筆の時間の半分ぐらいを、序論の構想と執筆に費やすのがよいでしょう。審査員の先生は、必ず序論をよみます。それどころか序論だけしか読まないこともあります。序論がいい加減であると、一事が万事、本論もよくないだろうと判断されてしまいます。(『論文・プレゼンの科学』p.34)

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課題に対して主題を提示する。

言いたいことをダイレクトに伝える。(筆者の心と「私」の心は違う)
「もっと読みたい」「読む価値がある」と思える。
他の人と違う、「私」が書く動機を伝える。
主題文で「激しく視点を共有する」(自分の土俵「場」をつくる)
テーマについて、「私」はどのように論じるのか。(論ずる範囲や分野、社会的文脈を限定)

ストーリーは一つだけ

「すでにあるもの」としての課題文に対して、「私」は「おまえはどうなんだ(物の見方考え方はなんなんだ)」と問われている。

最後にもう一度、くりかえす。魅力ある「書き出し」とは、

  1. 字が丁寧に書いてあり、誤字・脱字がないこと。
  2. あなたが言いたいことを、大きくつかんで、ズバリと書いてあること。
  3. きれいな、美しいような言葉を探して飾りたてる必要は、まったくないこと。

以上に、尽きる。これは、「書き出し」にかぎらず、全体にも言えることだ。 では、みなさんの健闘を祈る。 『小論文に強くなる』轡田 隆史 p.224

 

私の友人に百目鬼恭三郎という朝日新聞の記者がいて、彼が入社試験の作文の採点をやった んだって。

―厳しかっただろうなあ(笑)。 丸谷聞いただけでわかるでしょう(笑)。

朝日の他の人が、僕にこぼすんだよ。「ドメさんはひどいよ」って。作文の採点は、朝から みんなが分担してやるんだけど、他の人は夕食のときまでかかる。ところが彼はお畫の十二時 になる前に、「終った」と言って弁当食べてるんですって。つまり半分以下の時間で済んでし まう。なぜかというと、最初の数行を読んで、ダメだったら零点にする(笑)。 「あんな点のつけ方はひどい」と言うから、僕は、「友達だから擁護するわけじゃないけれど も、文章の上手下手は最初の数行でわかります。最初の数行で、くだらないもたもたした書き 方をするような人の文章は、最後まで読んだって絶対ダメなんですよ」と言った。そうしたら、 その人が、

「ええ。記者の試験ならそれでもわかるんです。ところが彼は営業の試験でもそれをやるんだ から」(笑) まあ、それくらい、書き出しは大事なんです。だから、書き出しをよく考える。 次は、少し高等技術です。書き出しを考えるときに、他の人ならどう書くかなあ、何の話か ら始めるかなあと考える。その上で、他の人がやりそうなものは全部捨てるんです。

(『思考のレッスン』丸谷才一 p.374)

「イントロダクション」の書き方 『論理的な小論文を書く方法』p.210

イントロダクションは、全貌を見せる部分です。文章全体の概要がここで語られていなけ ればなりません(冒頭のセンテンスについては、第3章で詳しく説明したとおりです)。 ただし、「全貌を見せる」とはいえ、ここで詳しく語りすぎてはいけません。語りすぎると、 ボディー以下を読む価値がなくなるからです。

イントロダクションの書き方の基本姿勢は、「シンプルに、ダイレクトに」です。 ここで問題提起(文章の終わりで自分が答えるために置く自分への質問)をしてもいけま せん。それではダイレクトではありません(冗漫です)。

・よく使われる書き方の「型」

イントロダクションを実際にどのように書くかに関しては、決まりはなく、自由です―― が、「自由ではどうしてよいかわからなくて途方にくれる人」がけっこう いますから、その 人のために、「よく使われる型」を1つ示しておきましょう。どう書いたらよいかわからな い人は、次のように書くとよいでしょう。

第1センテンス―――話題に関する一般的なことを書く

第2センテンス――「核(伝えたいこと)」をごく単純な形で書く その次のセンテンス1つか2つ――「核(伝えたいこと)を支える意見」を1つか2つをごく単純な形で書く

たとえば、「核」が「学校の英語の時間には、英語で自由に雑談したりディスカッショ ンする時間を設けるべきである」であったなら、この論文は「英語教育のあり方の改善」を 扱うわけですので、第1センテンスには「英語教育のあり方の改善」に関する一般的な話を 書けばよいのです(そうすれば、読み手に、その論文が「英語教育のあり方の改善」に関す る論文であることが伝わるわけです)。

先に書いたとおり、これは単に1つの型ですから、この形式にとらわれる必要はありませ ん。あなたの好きなように自由に書いてよいのです。文章全体の概要の効果的な語り方は、 話題ごとにまちまちですから、あなたが「これがベスト」と信じる形で書くのがもっともよ いでしょう。

 

序論で「主張」を書かずに「問い」を書くと書きやすい!?

 「考える」ための小論文

「問い」を立てることが、禁則のように扱われている本をいくつか見てきました。私も最初は「主張」を明確にして書かねば・・・と思っていたのですが、やってみるとどうしても「問い」かけるように書き出した方が自然に思われていました。

あれ?「問い」から始めたらダメなのかな????

この本が、僕の問いに明確に答えてくれていました。

 

ふと思い出すと・・・本物の「論文」は序論で「研究の背景」を書くことになっています。そこには「問い」が書かれているのです。「問い」から始めて、よし!

 

問いを打ち出し、それに答えようとすることによって、私たちの思考ははるかに秩序だ ったものになる。単なる思いつきから主張を導くのではなく、問いに対する答えというか たちで主張を導くことができるのである。 「書き方も、まずは問いを冒頭においてから始めればよい。問いに対して具体的な例を挙 げていき、そこから答え(=主張)を導く、という構成案を一つつくってみた。

成案 

  1. 問いの設定 : 想像力は人間の生のなかでどのように働いているか
  2. 例の提出 : 空想の物語のなかで遊ぶ、未来の目的を立てることも想像力の働きといえる
  3. 例から考えを導く : 私たち人間は、動物と違ってきわめて長いタイム・スパンを前提に して生きている(犬は「人生設計」をしない)が、現在の快・不快だけに閉じられないはる かに複雑な生を可能にしているのは想像力の働きである
  4. 答え=主張:想像力は私たち人間の生の基本的な特質をなすものである

このような構成案ができれば、一気に書きおろしていくことができる。試験のときは、 構成案を固めるのに充分時間を使うこと。いきなり書き出すことほど愚かなことはない! (『「考える」ための小論文』p.28)

共通認識のための変則型「序論」

 

小論文を学ぶ―知の構築のために

『小論文を学ぶ―知の構築のために』長尾 達也

長尾さんは起承転結型を想定していますが、起承を序論に対応させることができます。次の3点は「承」で書く内容、だそうです。

1)具体例を示す。

例 この問題に関して,例えば,次のようなことがしばしば話題となる。すなわち,

2)問題の限定(特定)をはかる。

例 もちろん,そう簡単にこの問題が解決するはずもなく,解決にはさまざまな付帯的な条件が必要であることはいうまでもない。しかし,いちいちの条件を挙げ て問題の解決をはかることよりも,むしろ問題の本質的な意味を問い直すことの ほうが重要である。ここで問題にすべき○○の問題の本質は……ということであろう。

3) 問題の発展を示す。

例 さらに,この問題は次のような問題をも包含している。すなわち,……

ここで重要なことは,承の部分では,第一段落での話題からの転換をはかったり, その単なる繰り返しをしたりしないことである。第一段落で設定した問題を厳密に継 続的に追いかける姿勢を見せることが第二段落で大切なことである。 (『小論文を学ぶ』長尾達也 p.25)

結論《終わり方》採点者を意識する小論文の結び

 「序論」は、これから考えていく問いを提示し、同時になぜこんなことを論じる必要があるのか(問いの必要性・重要性)、またこれを論じたくなった個人的な動機などについても 。 述べる部分である。「本論」はこの問いについてさまざまな角度から検討していく部分。 通常はここがいちばん長くて、いくつかの章や節に分れているのがふつう。そしてこの検 討をふまえて、最終的に「結論」が出される。ここでは最初に提示した問いに対する答え が出されるが、それとともに、これからさらに考えていくべき主題や問い(つまりこれか らの課題)についても述べられることが多い。 (『「考える」ための小論文』p.31)

 

  1. 《はじめに》何を論じるか(「伝えたいこと」論点を)表明する Declare
  2. 《本文》その内容を書く(実際に「伝える」論じる)Contents
  3. 《むすび》最後のメッセージを伝える Message←今ココ

メッセージの語源はミッションと同じです

意見を言い換えて繰り返すのでもよし、採点者にユーモアを伝えるのもよし(困難な問題に取り組むときは、ユーモアが大切です)、「私」の「命」の輝きを伝えてください。と思うのですが、このさじ加減が難しい・・・・(減点対象になるかも?とおもったら慎重になってしまいます)

ちなみに、ユーモアの語源は、人間、です。

話をまとめて、次の話者にマイクを渡すもしくは出題者にマイクを戻すことです。

 

僕は、最後は皮肉(irony)で終わってもいいかなとおもいます。

イロニーもしくはアイロニー(英: irony, 独: Ironie)は、表面的な立ち居振る舞いによって本質を隠すこと、無知の状態を演じること。 この言葉の語源は、ギリシア語のエイローネイアειρωνεία「虚偽、仮面」、「よそわれた無知」である。(wikipedia)

宮廷の道化の役割でしょう。

道化師たちは実はめちゃくちゃ頭がいいのです。

物事をひっくり返して考えたり、あっちかとおもったらこっちから話したり。

例えば

スタンチク

 

 スタンチクはポーランドの宮廷道化師の中で、一番有名な人物です。
彼は1480年頃-1560年頃に生き、アレクサンデル、ジグムント1世老王、ジグムント2世アウグストという三代の王に仕えました。本名はスタニスワフ・ゴンスカと推定されています。宮廷道化師は様々な芸を行って王を楽しませる職業ですが、スタンチクはそれ以上の能力を持っていました。彼はポーランドの歴史、政治に精通し、非常に高い知性を有していました。王のアドバイザーとして活躍し、自らの職業を最大限に利用して、冗談を交えながら風刺や警告、批判を行いました。人々はそのたぐいまれな才能を賞讃したと言われています。(http://mementmori-art.com/archives/15617000.html

 

小論文でこれをやっていいのか、、、、けど、物事は本当にわからないことだらけです。

ユーモア(人間性)の表現の一つとして、もっと皮肉を使えたらなぁと思っているのは、僕です。

 

皮肉の定義は難しいのですが・・・相手の主張(言葉)を流用して、相手(もしくは自分)の意図に反することを言うことです。共通認識しているところ、お互いに認めているところから、相手をつつく感じですかねぇ。

 

ジョークとの違いも微妙ですが。此方は言語の日常的な使用(社会的コンテクスト)を破壊してしまうs。

A: Hey, man! Please call me a taxi.
B: Yes, sir. You are a taxi!

観客:HAHAHAHAHAHA    https://helloandgoodbyecraft.com/jokes

 

こちらは「個性」という言葉の日常的な使用を超えて、破壊してしまう。

自分の個性を忘れないこと。
他のみんなと同じようにね。

クスッと笑える「皮肉な名言」14選
これは「Expanded Consciousness」に掲載された、ジョークや著名人の発言などを抜粋したもの。一瞬考えさせられますが、ウィットに富んでいてハッとさせられるものがチラホラ。海外では「禅フレーズ」と呼ばれて人気があるようです。一部紹介するので見てみてね。01.ファンベルトが切れ、タイヤはパンクした。さあ、旅...

 

うん、笑える!!!(心が大事!)

 

意欲を伝えるメッセージ

小論文で「意欲」をみるのか・・・わかりませんが。学びへの真摯さを小論文から読み取ることはできるでしょう。「ちゃんと考えようとしているんだなぁ」「このテーマに、向かい合おうとしている」という心があらわsれていると、おとのねさん的にポイント高いです。愛知教育大学の小論文の評価観点は次のよう。

教職への意欲を、メッセージで(論から外れない内容で)伝えられたら、最高じゃないですか!「やったぜ!合格!」と叫びたくなる小論文をかけるといいですね。

 

 

 

もし、本文が「踏まえる」だけで終わってしまったなら、次に話す人があなたの「論」を汲み取って「議論の場」の「論」を発展させられるような一言を《メッセージ》として残すのもありでしょう。

作文や感想文には、他者との議論を想定する必要をかならずしも求められないから、特に 「主張」が含まれていなくともいいだろう。これに対し、「小論文」は、他者との議論を想定し た、論者の意見陳述の文である。もちろん、作文や感想文に主張があってもいっこうにかまわ ない。でも、論理的でなければ欠陥品である。 『常識力で書く小論文 』p.39

ーーー

他の本では「結論」が次のように表現されています。

  • 「結論」では、「本論」で提出した以上の新たな議論・実証を展開してはならない。(『レポート・論文の書き方入門』河野哲也 p.51)
  • 結論では、論文全体の分析と考察を振り返ってわかったことをまとめるほかに、結果から示唆されることや解釈可能なことにふれ、結果全体を評価する。また、今回の件キュでは解明できなかったことに言及し、今後の研究の方向性を示すこともある。(『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』p.118)

 レポート・論文の書き方入門 第4版 河野 哲也

『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』p.118に書かれている「結論」の中身は以下の通りです。参考にしてください。

結論の提示と研究結果の評価

  • 研究行動を振り返る
  • 研究結果をまとめる。
  • 研究結果から結論を提示する。
  • 研究結果を評価する。

今後の課題の提示

  • 今後の状況の予測を示す。
  • 研究成果をもとに提言や指針を示す。
  • 残された課題と今後の方向性を示す。

留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック

 

小論文の話題は深刻なものが多い。

言葉の「重み」が要求される。

その上で、最後は「希望の光がみえてきたぞ」「もっとこの論を進めていきたいな」「よし、世界と関わろう」と相手がおもえるようなメッセージを残したらどうだろうか

 

「心構え」を《メッセージ》にいれる必要がある、と述べている。「道徳性」というものは就職小論文で大切になるかもしれないが、大学入試小論文ではどうだろう。

一般の論説的文章では批判や論証がそのまま述べられることが多い。しかし受験作文としてはそれ だけでは十分とはいえず、さらにそこへ当為部分をつけ加えなくてはならないことが多い。これは受 験作文の道徳主義からくる 要求であって、 それによって採点者は 受験者の道徳性を評価するのであ る。だから論説文ではある 問題をただ論説するだけでなく、 必要な場合は それに対する受験の心構 え、決意を述べるべきで、これが欠けていたのでは決して完全答案とはみなされないだろう。(『作文・小論文のキメ手はこれだ―就職・入試』三浦 啓義 p.72)

おとのねさんは「心構え」を書くなら、自分の「論」を「踏まえて」さらに一言、論理的に自然に導かれるあなたの「心」を添えるのがよいとおもう。あなたの「論」を最後に、重くするなにがしかの一言を、採点者の心に穿ってしまおう。できるなら!

「結論」の書き方 『論理的な小論文を書く方法』p.215

結論には、「核を詳しく言い換えたもの」か「要約」を書きましょう。

ここに書くものは、ボディーで書いた内容から導けるものでなければなりません。このパ ラグラフを隠して「結論」を読み手に当てさせたとき、読み手が隠された「結論」と同じ内 容のことを書けるのなら、その「結論」は論理的に正しく書かれていることになります。た とえ同じことを書けなくても、読み手が「この結論が導かれていることは納得がいく」と思 えるものならOKです。

ここでは、弱々しく自信なさげな書き方をしてはなりません。ボディーから当然導けるも のを書くわけですから、それを率直に書けばいいのです。 たとえば、「~ではないだろうか」はだめです――それでは「ボディーまでのところから 導けるかどうか怪しいが」と書いていることになり、わざわざ書く価値のない論文を書いた ことを書き手本人が認めていることになります。

ここに不平や弁解を書いてはなりません。たとえば「十分書ききれなかったが…」と書く のはだめです。

ボディーまでのところで書いていない考え(新しい素材)を、ここで初めて登場させては なりません。ここでそれが登場すると、それを支えているものがどこにもないことになるか らです。たとえば「子供に対するテレビの害」をボディーで詳しく説明した後、「結論」で 突然、「親の指導が必要である」と書くのがそれです。「親の指導が必要である」と書きたい のなら、ボディーまでの文中に「親の指導」を扱っている部分がなければなりません。

・よくある間違い 日本人が論文でよくする間違いの1つは、結論で新しい素材を加えることです。 

《メッセージ》は、、、ダメなのかなぁ。名残惜しいなぁ。

論理的に繋がっていればよいのです!!!!

 

ユーモア、詩について『思考のレッスン』丸谷才一

丸谷 「見立て」は一種のアナロジーです。ところがアナロジーというものは、うんと距離の ある二つのものに共通性を発見するから、さっきの「富士見西行」の例なんか典型的ですけど、 なんとなくおかしいところがあるんですね。たかが乞食坊主にすぎないものを、ひょっとすると西行さまかもしれないぞと見立てる。風流でもあるが、滑稽でもある。パロディだったり批 評だったりする。

その風流でもあるが滑稽でもある感じをオクタビオ・パスというシュールレアリスムの詩人 は、アイロニーだと言うんです。彼は「アイロニーはアナロジーの傷口からしたたる血潮であ る」と言う。カッコいいねえ(笑)。ただ、われわれ日本人にとっては、この比喩は少し凄み すぎてる。われわれにとっては、アイロニーは血潮というよりはもっとしゃれっ気のあるもの であって、ニヤリと笑う微笑くらいのものである。

このように、アイロニーの受け取り方は、西洋と日本ではちょっと違うけれども、大事なの は、そこにはあるポエトリー詩とユーモアがごちゃごちゃになったようなある感覚、おも しろさ、それがアナロジーには必ず付きまとうということなんですね。

この詩情、詩的感覚が、ものを考えるときに大切だと僕は思う。えてして人は、「思考」と いうと、なんだかぎくしゃくして、堅苦しくて、大真面目で、窮屈なものだと思いがちです。 論理学の教科書なんかを連想したりしてね (笑)。しかし、詩と論理とは不思議な形で一致す る。というよりも、詩と論理が互いに排斥しあうものだというのは昔気質な思い込みで、新し い詩学では論理を尊ぶ。

人間がものを考えるときには、詩が付きまとう。ユーモア、アイロニー、軽み、あるいはさ らに極端に言えば、滑稽感さえ付きまとう。そういう風情を見落してしまったとき、人間の考 え方は堅苦しく重苦しくなって、運動神経の楽しさを失い、ぎごちなくなるんですね。

つまり遊び心がなくちゃいけない。でも、これは当り前ですよね、人間にとっての最高の遊 びは、ものを考えることなんですから。(『思考のレッスン』丸谷才一 p.227)

本論《本文》で「伝えたいこと」を「伝える」小論文

大学の出題意図に見る「本文」の重要性

小樽商科大学の2020年夜間主推薦・社会人入試小論文の出題意図には次のように書かれています。

「できる限り具体的に説明する」、自らの主張を「展開」する場所が《本文》です。

 

 

「伝えたいこと」を本文で「伝える」

  1. 《はじめに》何を論じるか(論点を)表明する Declare
  2. 《本文》その内容を書く(実際に論じる)Contents←今ココ
  3. 《むすび》最後のメッセージを伝える Message

《はじめに》で「伝えたいこと」を書けたら、《本文》は勝手に決まっていくでしょう。というか同時進行、でしょうか。本文は「伝える」場所です。

 

書き方、スタイルは様々です。

人によって違います。

「私」はどれを選びますか?

字数、によっては《本文》だけしかかけないこともあります。

《本文》と《表明》をはっきり区別してください。

横断歩道を渡る時は手を上げてわたるべきだ。(「伝えたいこと」!)
手を上げて渡らないと、交通事故に遭う危険性があるから(「伝えたいこと」を支える意見(理由?))
手を上げて渡ると交通事故にあわないと相手が納得できる実例やデータ(意見を支える事実)

交通事故を減らすにはどうしたらよいだろうか?(明言していないからダメ)
集団登校・集団下校をすることで交通事故を減らせる。(これは「伝えたいこと」?意見?)
一人ではなく集団でいることによって事故が減ると相手が納得できる実例やデータ(事実)

 

《表明》で「伝えたいこと」を「主張」します。

「伝えたいこと」を「伝える」のが《本文》です。

「AはBである」あるいは、「AはBではない」と述べるのが主張です。『論理的な小論文を書く方法』p.77

本当?
でも次の言葉には共感します。

あなたの「主張」は、その発言(記述)後、その話題の議論の中心となるタイプのものでなければいけません。

 

文字制限がある場合は、《表明》と《本文》を混ぜなくてはいけなかったり、臨機応変に表現すればよいのですが、《表明》は伝えたいことを「明言」する場所で省けません。文字数を考えるなら、《本文》です。

文字数制限のある論文では、当然ながら文字数を調節しなければなりません。その文字数 の調節は、ボディーの部分で行ないましょう。ここをどれほど詳しく書くかで文字数はいく らでも調節できます。たくさん文字数が必要な場合は、例をふんだんに挙げるなどして説明 を非常に詳しくすればよく、逆に、文字数を少なく抑えねばならないときは、説明の詳しさ を(涙をのんで)切り詰めればいいのです。 文字数の調節はボディーの部分の詳しさの程度を調節することで可能であり、また、それ 以外のことで行なうべきではありません。 『論理的な小論文を書く方法』小野田 博一

読み手を100%納得させる 論理的な小論文を書く方法

《本文》は、「伝えたいこと」を「伝える」ために全力を尽くす場所です

【問題2】 感動を伝えたい場合、どうすれば人に伝わるのでしょう? 自分が「どう感じたか、どう 思ったか」を書き連ねるだけでよいでしょうか?

】 それを書き連ねるだけではだめです。なぜ感動したかの理由と具体的な細部が必要です。 読み手が理由を理解しなかったなら感動は伝わりませんし、細部がなかったら、理由に説得 力を感じることはほとんどないでしょう。 『論理的な小論文を書く方法』小野田 博一 p.162

 

「ボディー」の書き方 『論理的な小論文を書く方法』p.213

ここは、「イントロダクション」で示した「核を支える意見」をていねいに説明し、それ を支えるものを詳しく書く部分です。

書く内容を選択する際にもっとも大切なのは、「書こうとしている結論」を導くことがで きる内容を選択しなければならないという点です。つまり、理想的にはボディーまでのとこ ろを読んだ人があなたに代わって結論を書いたとき、「あなたが書こうとしている結論」と 同じものを書ければよいのです(それを本当に読み手が書けるなら、あなたが書いた「ボ ディー」は論理的かつ説得力を持って結論を支えていることになり、あなたの論文は完璧な 出来映えと言えます――完璧な論文を目指してベストを尽くしましょう)。

ボディーでの説明には、あいまいさがあってはなりません。具体的にスペシフィックに書 きましょう。

ボディーの中に「余分なもの」を置いてはなりません。つまり、支えるためのものではな いセンテンスを書いてはいけません。たとえば、「Aの害」を説明しているときに、「Aは○ ○年ころから広く一般に使われるようになった」というセンテンスを書くのはだめです。

『小論文を学ぶ』長尾達也さんの構成:本文は「抽象度」を上げる

 

小論文を学ぶ―知の構築のために

『小論文を学ぶ―知の構築のために』長尾 達也

(3)第三段落=く転の部分 

すでに述べたように,この部分が起承転結のうちで最も重要な部分である。この部 分の扱いを安易に考えていると,全体の出来栄えがまずいものになる。逆に,この部 分の役割と意味をしっかり理解し,それなりの扱いを心得ると,全体として見栄えの する立派な論文ができあがるのである。

この部分は,転とはなっていても,単なる話題の転換の部分ではない。したがって, 「それはともかく……」とか「さらにいえば……」とか「しかし別様にいえば……」といっ た書き方は許されない!(表面的・形式的にそういう書き方をしてもいいが,内容的 に単なる転換であってはならないということ)。

ここでは,起部分,承部分で述べられてきた問題(普通は一つの問題)を,一段深い レベルで掘り下げて検討をはじめるのである。深いレベルというのがミソで,これを, 一段階ほど抽象度が高いと言いかえてもいい。抽象度が高いので,見た目にはなにや ら難しい概念が登場するのが常である。

起 ものをたらふく食うとうれしくなる。それが人間というものだろう。また, 欲しいものを欲しいときに手に入れる。これもまたうれしいものである。人間 がうれしいと感じるときの多くの場合は,こうした物質的な満足による場合が多い。

承 だが,物質的な満足は,即,幸福なのだろうか。つまり,満足イコール幸福 という等式は成り立つのだろうか。たしかに、たらふく食い、欲しいものを手に入れれば満足であると同時に幸福感にも包まれるかもしれない。しかし,幸福という概念は,何か永続的な意味を含んでおり,それはその都度その都度の 満足とは若干異なっているようにもみえる。

転 満足は身体的な幸福を意味し,幸福は精神的な幸福を意味する,と定義することも可能かもしれない。しかし、考えてみると,身体的な幸福というのはウソくさい定義である。なぜなら,幸福というのは先にも記したとおり,永続性 を持つ概念だからである。どうも,幸福というものを考えると,そこにはその人その人の人生観とでもいうべきものが前提になっているように思われる。 おのれの人生観に基づいて,ある行為やある心情が幸福に値するものであるかど うかが判定されるようである。いってみれば,自分の全生涯を通じてその行為 や心情に意味が見出せるか,それが問われた末に「YES」が答えられたとき, はじめてその行為や心情に「幸福」という文字があてがわれるのではなかろうか。

結 そんなことをつらつら考えながら,雑誌をめくっていたら,「幸福になる方 法」という文章に出くわした。これはまたすごいことをいうものだと半ば呆れ 半ば感心して読んでみたら、案の定,自分にとっての幸福を早く見つけなさい, という方法にも答えにもなっていないような結論であった。安心と不満が同居したことはいうまでもない。

※下線部分は,論文のなかでの新出概念。ここで抽象度の高い概念が使われるのである。 上の文章を読んでおわかりだろうが,一段深いレベルに入ってゆく感覚,これが転の感覚である。この感覚を早く身につけてもらいたい。それが論文上達の秘訣である。 (『小論文を学ぶ』長尾達也 p.26)

大学生に求められる「論文」の作法を念のため解説

『これからレポート・卒論を書く若者のために』で酒井聡樹さんが述べているのを書き写します。

これからレポート・卒論を書く若者のために 第2版

大学入学試験の小論文と共通している点を探してみませんか?

なぜ、レポート・卒論を書くのか

  • 問題提起する能力を養う。
  • 問題に対して解答する能力を養う。
  • 取り組んだ問題に関する知識・理解・考えを深める。
  • 学術論文やビジネス文書などを書くための文章力を養う。

取り組む問題の条件

  • あなたが面白いとおもう
  • 役に立つ、また知的好奇心をそそる。
  • 多くの人がその解答を知りたくなる。
  • 部分的にせよ解答できる。

説得力のある主張とは

  • そう主張する理由(根拠)を述べている
  • 理由は、確かなデータ・事実に基づいている。
  • 理由は論理的である。(論理的に成り立つ主張としている。その主張が否定される可能性も検討している)
  • 他の仮説と比較して、その過程の方が確からしいといえる。

問われ方・踏まえ方で構成の仕方、構成のプロセスを柔軟に変えて「論じる」

踏まえて述べよ普通タイプ

課題文をみたら構成が自然と決まっていく可能性があるタイプです。

問:「大学では社会に出て役立つことだけを教えれば良い」という意見があります。それに対して、著者が述べていることを踏まえながら批判的に検討し、800字以内で述べなさい。(大阪教育大学大学教育学部2019)
問:「十人十色」という言葉から連想するあなた自身の体験について具体例をあげて述べてください。(近畿大学芸文学部)
公立小松大学の2020年度国際文化交流学部推薦入試の課題作文は次のよう。
「踏まえる」ということは「論じる」論点を制限されることです。「読み取り」「踏まえる」ことができたら、論点はある程度明らかになるのではないでしょうか。
出題意図にも見られる通り、「読み取り」がまず評価されます。それを「踏まえて」「論じる」のはその次です。

出題者が構成してくれるタイプ

何を書けばいのか、はっきりと「問い」で伝えているタイプです。

乗り切れる、だけであって、「自分の世界観」を聞かれていることに変わりはありません。

乗り切れてしまうので、「小論文」でない書き方もできてしまう、危うい問いです。

問:日本もしくは世界で起きている様々な社会的課題に取り組むために、あなたに1,000億円のお金が与えられたとします。あなたはこのお金をどのように使いますか。取り組む社会的課題を明確に示した上でこのお金をどのように使い、どのような方法で課題解決を目指すか400字以上600字以内で自由に論じなさい。(千葉大学国際教養学部2017)

ゼロからつくらなあかんタイプ

「自分の世界観」をはっきりと述べなければ手も足も出ないタイプです。

小論文で「志望理由」を書く!!!??

問:本学は、広域の拠点的役割を果たす教育大学として、人間理解と心理探究に勤め、教育が直面する現代的課題への対応力を有し、「子供達の未来を拓くことができる豊かな人間性と確かな実践力」を身につけた専門職行人の養成を使命としています。「」内を身につけた教員になるために、あなたは本学で何を学んで行きたいと思いますか。600字以内で具体的に述べなさい。(愛知教育大学)

論文を書く!!!???

問:生活・暮らしに関する五つの資料から読み取った内容を踏まえて、自分の論旨にふさわしい題(タイトル)を解答用紙の冒頭にある所定欄に記し、1,200字以内で小論文を作成しなさい。その際、少なくとも3つの資料を取り上げ、言及した資料の番号を全て回答用紙の末尾にある所定の欄に記入すること。(広島大学総合科学部)
方法論を語る???
問:今日の世界の様々な問題を解決する上で、文中に提示された論理的・理性的アプローチと全体を直感的に捉える完成・美意識に基づくアプローチについて、あなたの考えを500字以内で記述しなさい。(広島大学経済学部)

 

Q&A よくある小論文の対策と注意点・ポイント

Q 何をたよりにして書いていいかわかりません。

A 大切なのは主体性です。「私」の真善美が、唯一のたよりです。

「あなた」が、問いに答えることが全て。

学問とは何のためにあるのか。
問い、学ぶ、とある。
学び、問う、とある。
アカデミーとはなんであったか。
スクールとはなんであったか。
ユニバースとはなんであったか。

「わからない」なら「わからない」ことを白状するのもひとつの書き方です。

「小論文」の試験は、大勢の受験生が書くのだから、採点する人は大変だ。一人で二四○○字も書いてある文章を、何百も、一体どうやって採点するのだろう。神業だ。 しかし神ならぬ人間だ。丁寧に書かれている字に、まず気持ちが動くに違いない。次に、 書き出しが「魅力的」なら、ほほう、と思うだろう。 魅力的な書き出し、と言うと多くの人々がすぐに、

国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。夜の底が、白くなった。

という、川端康成のあの『雪国』を挙げるのだけれど、わたしがここで言う「魅力的な書 き出し」とは、「きれいな美しい」ものだけを意味するのではない。 ポンと、自分の言いたいことを、まとめて、はっきりと言い切っている「書き出し」の ことだ。

しかし、「国境の長いトンネル」だって、「魅力的」なのは、「言いたいことを」、ポンと 断言しているせいなのかもしれない。 ずっと前に引用した、国語学者、大野晋さんの、「生きる」という文章だって、ポンと 言い切った「書き出し」だ。もう一つ挙げるなら、

神への祈りを申すにも、民俗の歴史を語り伝えるにも、男女が愛をささやくにも、 四季の移りゆきを見て嘆きを歌うにも、人は言語を用いる。永遠の真理を記し、未来 の世界を想像するにも言語にたよる。人は言語をもつことによって人間となった。 (前掲『日本語の世界』の「はじめに」の書き出しから)

どうです、ポンと言い切っている。まず、このことを言っておくぞ、という気迫があふ れている。 「小論文」の「書き出し」だって、気迫が大切だ。 仮に、「よくわからない」という意味のことを言うにしたって、ポンと、気迫をもって 言い切ってほしい。

この問題についてあれこれ思い悩んで、まだ自信がもてないがともかくも書いてみ ることにしたい。 これでは、意気が上がらないし、景気が悪い。読む方だって、何だか力が入らない。い っそのこと、わからないなら、わからないことを、ポンと、颯爽と書いてしまう

この問題において最も興味があるのは、いくら考えてもわからないという、まさに そのことについてである。 わからない、ことこそが希望である。わからないということがわかったことこそ、 「わかる」ための第一歩であるからだ。

どうです。これなら景気がいい。採点する人だって、ほほう、と思ってくれる。「なる ほど、この受験生は、ソクラテスで攻めて来たな」 

古代ギリシアの大哲学者ソクラテスは言っている。 「わたしが知っていることはただ一つ、わたしは、何も知らないということだけだ」 「何も知らない」ことを知るところから、ソクラテスは出発した。わたしたちだって、 「何もわからない」ところから出発したっていいではないか。『小論文に強くなる』轡田 隆史 p.218

Q 賛成意見・反対意見を書かなくてもいいのですか

A 賛成意見・反対意見を書けと言われたら書かねばならないです。けど大切なのは【主体性ある論理的思考】です。おとのねさんの「小論文観」によれば、論理的表現にこだわって賛成意見・反対意見・折衷案を書くといった表現方法に縛られて【主体性ある論理的思考】がみえないと損をする、ということです。

Q 「筆者の意見に“対して”」と書いてあったら筆者に対抗するのですか?

A “踏まえて”という意味で理解してください。もし反論しなさい、という意味であれば、出題者はそのようにかいてくれるはずです。言葉ってむずかしいですね。。。

Q 《むすび》でメッセージを書いていいのですか?

A 出題者の意図と外れることを書いてはいけませんが、「考えたこと」の一部として最後の最後、余裕を持って書き終えるついでに、メッセージを伝える。という程度でいいとおもいます。

Q DCMで書かなきゃいけないんですか?

A 書かなきゃいけないことはありません。大切なのは《本文》です。あとは伝え方の問題。おとのねさんは書くことをお勧めしますが、字数制限によっては書く必要がありません。字数、大切!!!

信州大学の2020年度入学試験問題(推薦入試) 小論文(国語教育コース)では、「こういう構成で書いてね」と指示しています。

どんな構成にするのかは、その場で「出題者の問い」から判断できることもあります。

Q 小論文のキーワード、語彙は役に立つのですか

キーワード、語彙は、もちろん【主体性ある論理的思考】をするために必要なものです。

「あなたの考えをかけ」と言われているのに、「筆者」の述べることを繰り返しているだけでは「あなた」が見えません。主体的な存在として、あなたが何を思うのか、【主体性ある論理的思考】が「キーワード」「語彙」に出てきます

現代文であれば、自分からキーワードを出すのはダメです。

が、小論文では、自分が主体性をもっていることを、キーワードをつかって表せるのです。

散りばめられた、織り込まれたキーワードで【主体性ある論理的思考】をもった「私」の精神的な豊かさを表現してくださいね^^

Q 結局、小論文の勉強って何をしたらいいの?

まず最初に。

「私」が【主体性ある論理的思考】ができているのか、反省してください。

「踏まえて」の呪縛も、「適性試験」としての小論文も、おとのねさんの記事を読んで理解できているはずです。

それで「書けない・・・」なら、【主体性ある論理的思考】を鍛えるしかありません。

どうやって????

実はそのプロセスが、一人一人違います。

なぜなら「私」はあなた一人だからです。

今までみんなと同じことをして失敗してきませんでしたか。

「学ぶ」ということがどういうことなのか、小論文を通じて感じてもらえたら嬉しいです。

 

もちろんオトノネは、「私」が小論文を学びたい!という気持ちを応援しています。

オトノネでは、レッスンそのものが、あなたに【主体性ある論理的思考】を要求します。

Q 思考のプロセスを書くのはダメですか?「このように考えて、結論・・・」はダメですか?

A 「わかりやすい」という点で、アウトです。随筆ならありうることですが、あくまで「適性審査の小論文」です。僕が現役時代に陥っていた書き方なので懐かしい気がしますが。

【問題3】 次の主張は正しい? 「課題作文の小論文を書く際に大事なことは、自分が書きたい核心部分に、いかにうまく到 達するかである」

【答え】 間違い。 核心部分は、第1パラグラフのイントロダクションで示さねばなりません。核心が何かを 最後近くまで秘密にして書き進めている文章は、数秒ながめただけでは全貌が理解できませ ん。読み手にとって「読むのが苦痛な文章」となるばかりか、読み手に負担(解読)を強い ることになり、それではだめです。 『論理的な小論文を書く方法』小野田 博一 p.60

 

「自問自答のための疑問文」とは、次のようなものを言います。

「**はAであろうか。(d)……(中略。ずっと後のほうで) * * はAである」(この例の 冒頭部分)

これでは、文章は洗練されていなくて「ダサい」だけです。率直に「**はAである」と 述べて、以下なぜそうなのかの理由を書いてゆくほうがすっきりしますし、かつ洗練されて います。

この類いの自問自答の文章を読んだとき、率直に書かれた文章を読み慣れた人は「**が Aか否か自分でわからない状態で文章を書き始めるなよ」とか、「言いたいことがあるのに、 なぜわざわざ隠すんだ?」と思うものです。自問自答の文章を書くことにメリットはありま せん。 『論理的な小論文を書く方法』小野田 博一 p.81

Q 新聞の社説は小論文の勉強の役に立ちますか。

A 批判的に読めない場合は、危険です。批判的に読む訓練として読むのはよいとおもいます。

小論文の「モデル」を新聞の社説に求める人が多い。理由は、社說が「意見文」だからだ。 『「小論文」とは、論文の形式を借りた意見文である。一般に八○○字から一二00字程度 の分量で、自分の意見を公にした文章である。その身近な例は、新聞の社説である。社說に は不特定多数の読者を納得させる論理が求められている。小論文の書き方の勉強には、新聞 の社説の要約が適切だ。』[大略](工藤信彦『書く力をつけよう』岩波ジュニア新書・一九八三 年)

穏当な意見のようである。しかし、新聞の社説を小論文のモデルにするのには、大きな疑問 がある。はっきりいって反対だ。 第一に、社説は「社是」にしたがって書かれるからだ。社是とは、この場合、新聞社の経営の基本方針のことだ。基本方針の中心にあるのは販売部数の増加である。つまりはより多くの 「不特定多数の読者」の獲得である。営業に反することは書きにくい。

第二は、社説は、プロのそれも熟練した書き手(とされる人たち)が書いた文章だからだ。い うまでもなく、小論文は、特別な専門知識や深い経験を持たない人が書くのである。極論すれ ば、誰にでも書けるのが小論文である。社説は誰にでも書ける文章ではない。

第三は、社説では不特定多数の読者を納得させる論理が求められているからだ。社説が主張 する声は、一見して大きい。しかし、不特定多数の読者を前提しての意見だから、「ああでも あるが、こうでもある。ああでもないが、こうでもない」という、誰の耳にも届くが、なるほ どと膝をたたいて納得するにたる論理を示すことは出来ない、とみていい。つまりは、「主張 なき意見」に落ち着くのである。これは小論文の基本性格である「意見文」に反するものだ。 小論文は、まず意見ありき、という姿勢でなければ書けないものだと思ってほしい。 『常識力で書く小論文 』p.40

「読み手に媚びへつらう」文章なので、読まないほうがよいとおとのねさんは思っています。

☆一般向けの論説文と「論文」

一般向けの論説文(一般の人々に見せるための新聞や雑誌の文章)を「論文」 の手本とするのは間違いです。そこでなされている「議論」の書き方が、たいて い正しくないからです。一般向けの論説文と論文は基本的に異なるからで、その 相違は主に次の点です。

一般向けの論説文は、読者(となるはずの人)に「読みたい」という気を冒頭 で起こさせなければなりません。読み手の興味を引き、興味を維持することに十 分な配慮がなされなければなりません。また、新聞や雑誌の文章は、読み手の好 奇心(知識欲を含む)を満たすものでなければなりません。さらに、「読み手の ほとんどは知識がほとんどない人」と考えて書かねばなりません。

一方、論文では「読み手の興味を引く部分」がなくてもかまいません。「核」 そのもの、あるいは、その支え方が読み手の興味の対象だからです。論文は、読 み手の批判的思考に働きかけるもの――議論上手な人を納得させるもの――でな ければなりません。

この点が大きな違いで、一般の論説文は、議論上手な人を納得させるものであ る必要はありません――単に読み物として興味深ければいいのです。 「それゆえ、書き方としては、一般向けの論説文は「* * のあり方」に関心のな い人を読者として想定し、関心を煽ることから始めるのが正しく、ある程度の知 識を与え、あたりさわりのない締めくくりの文(結論になっていない文)を述べ て終わりでよいのです。

一方、論文をそういう風に書いてはなりません。論文では、「* * のあり方」 に大いに関心がある人(で、すでにそれについてずいぶん考えている人)を読者 として想定し、その人を納得させることを書かねばならないからです。 『論理的な小論文を書く方法』小野田 博一 p. 93

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