男女のバランスがとれた社会のあり方を一つ学ぶ。
このツイッターを見ていたので、繋がりました。
新内閣の顔ぶれを見て妻が呟いた。「政治家も定年させればいいのにね。」 https://t.co/5Xy0oT2S4T
— 鈴木 大裕 (@daiyusuzuki) September 16, 2020
男が悪いわけじゃない。
ただ、北欧はもう「成熟社会」という何かに向けてシフトしたということ。
日本は、まだ、これからもリスクを冒して「経済成長」という何かよくわからない幻想を追いかけていくからみんな格差とか貧困とか暴力とか犯罪とか我慢してね!
ということらしい。
昔子育ての原理とビジネスの原理という言葉を作ったことがある。
今も健在だが・・・・
この本にとてもいいことが書いてあったので、書いておく。その言葉はこの記事の一番したにあります。
困難に直面した時の、判断。リスクをとるか、安全をとるか。
男性はもともとテストステロン・レベルが高いので、これまでずっと社会の中で危険を冒す役割を 担い、テレビの過激な挑戦番組「ジャッカス」で見かける類の行為以外のかたちでも、人類が限界に 挑むのを促してきた。ブライアン・ナットソンという名の神経科学者は、男性の被験者の一部にポル ノを見させてTOP回路を活性化してから、二つの投資先のうちの一つを選んでもらった。すると、 性的に興奮した被験者は、女性を愛でていなかった被験者たちよりも、ハイリスクの投資を選ぶ割合 が10パーセント高かった。
人々が幌馬車を連ねて西部へ向かっていた開拓時代に、ドナー隊と呼ばれる一隊は、未確認の近道 を選ぶという賭けに出た。あいにく、時間を稼げるはずのそのルートを進むのに手間取り、シエラネ ヴァダ山脈に着くのが遅れて雪に見舞われ、今日ではドナー峠と呼ばれる場所で立ち往生した。一行 の半数が亡くなり、生き延びた人々は人肉食までした。生存者の記録を見ると、ドナー隊の女性たち は、この未知のルートに賭けるのには断固反対だったことがわかる。
危険を冒せばほんとう に命を落としかねない。その半面、危険をまったく許容しなければ、ドナー の幌馬車隊だけでなく、開拓者は全員故郷にとどまり、西部で自ら事業を興すかわりに、東部の町で (いや、それを言うなら、旧世界で)誰かに雇われて賃金をもらっていたことだろう。
というわけで、やはり自然は私たちに陰陽二つの対立する力、オキシトシンとテストステロンの拮 抗作用を与え、持続可能性がもっとも高いかたちでバランスをとる、つまり、友好とひどい仕打ちの あいだの折りあいをつける助けとしたのだ。
信頼ゲームを用いた私たちの研究で、唯一女性が男性よりけちだったのは、プレイヤーAの立場に あって、自分の得る見返りを増やすために送金するという危険を冒さなければならないときだった。 相手を信頼して送金した金額の平均は、10ドルの所持金のうち約4ドル50セントだったが、男性は損 を覚悟で平均6ドルほどを送金した。女性が危険を嫌うのは、女性のほうが男性より多額の生命保険 をかけ、安全な運転をし、退職後のための資金を用心深く投資するという調査結果と一致している。
男性よりも女性のほうが危険を嫌うのには、しっかりとした進化上の理由がある。だが、オキシト シン主導のアプローチとテストステロン主導のアプローチに優劣はあるのだろうか?
それはシエラネヴァダ山脈に着いてみるまでわからないだろう。 「危険を極度に嫌えば、そもそも故郷を離れないし、危険を極度に受け入れれば、途中で死んでしま うことが多いから、男女の視点のバランスをうまくとるのが、長い目で見れば最善の結果をもたらす らしい。というわけで、ドナー隊の男性は、妻たちの懸念にもっと耳を傾けるべきだったのかもしれ ない。あるいは、アメリカ先住民の一部が従っているシステムに似たものを持っているべきだったの かもしれない。そのシステムのもとでは、どの部族も男性の族長を戴くが、その族長は部族の母親た ち全員の投票で辞めさせることができる。 (『経済は「競争」では繁栄しない』ポール・J・ザック p.142)
信頼しすぎないための、女性の体のしくみ。
信頼そのものの領域でも、ある程度テストステロンがあるとオキシトシンがうまく調節されて、よ い結果につながりうる。信頼も度が過ぎると(ARCOのガソリンスタンドでの信用詐欺を覚えてい るだろうか?)つけ込まれる。そういううぶな人は、向こう見ずな人に劣らず、命の危険を招きかねない。
オランダのユトレヒト大学の研究者たちは、女性に少量のテストステロンを与えてから、顔写真を 見せ、その人がどれほど信頼できそうか判断してもらった。プラシーボを与えられた人と比べて、テ ストステロンを与えられた女性は、信頼する度合いがずっと低かった。そして、もともと信頼しやす い(つまり社会的にうぶな)人ほど、その傾向が強かった。
じつは、女性の体内でテストステロンの生成がピークを迎えるのは、排卵の直前になっている。そ のおかげでいちばん受胎しやすいときにリビドーが高まるが、同時に、警戒心を強めるのにちょうど いい程度に共感が抑えられる。妊娠と育児は代謝資源と時間とエネルギーの膨大な投資を必要とする ので、女性が配偶者候補の信頼性について疑い深くなる(そして、選り好みをする)見返りは十分あ る。だから自然は、受胎して子どもを産みたいという衝動(ひと月のうちでもっとも受胎しやすいと きに活発になる)に、それと拮抗する、向こう見ずな選択を避けたいという衝動を組みあわせてバラ ンスをとったのだ。 (『経済は「競争」では繁栄しない』ポール・J・ザック p.143)
男って、しょうがないの?しょうがないの。もうマンモスいないんだけど。
詩人で精神的指導者のロバート・ブライは、長年各地を講演して回り、男性を恥じ入らせたり女性 に変えようとしたりすることで男性の行動を改善するのは無理だと主張した。古代ギリシア人が「ア ンドレイア」と呼んだテストステロンの美徳を尊ぶと同時に、その攻撃的なホルモンを持つ人間には、 十分統合された頭と心も持たせるようにしなければならないというのだ。 とりわけその文脈では、男女の平等が大切だ。男女が平等であれば、誰にとっても人生のストレス が減る。女性は伝統的な役割の束縛を逃れ、男性は感情をすべて押し殺したり、喧嘩腰で歩きまわったりしなければいけないと思わなくて済む。理想を言えば、男女がともに、人生のどちらか半面だけ ではなく両面の負担と喜びを分かちあいつつ、同時に本質的な違いも味わえるといい。
もっとも、向社会的行動に関しては、テストステロンが問題児であることに疑いの余地はない。男 性のテストステロンは20歳ごろから自然に減りはじめ、男性は歳をとるにつれて攻撃性が薄れ、共感 的になるので、女性の閉経期に相当する男性の更年期に入ると、罪を犯す可能性が年齢とともに減っ ていく。男性は30歳ごろに前頭前皮質の配線がようやく完了し、脳の実行機能が向上して、衝動を抑えるのがうまくなり、慎重さが増す。(『経済は「競争」では繁栄しない』ポール・J・ザック p.153)
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