統計をとれるかな!?慶應大学SFC総合政策学部2015小論文の模範解答例
データを収集・分析し意思決定することで証拠に基づく問題発見・解決の能力を身につける。
慶應大学SFCの小論文。資料を読んで、学んで(踏まえて)、問に答えなければいけない。
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総合政策学部 問題(社会的課題)の発見
意思決定することにより解決可能な問題もある。
環境情報学部 ???
確率という概念(データサイエンスの根幹となる学問分野)
不確実な状況で意思決定するために役立つ
データを見る「現実を読み取る」ーより確からしい事実は何か
因果と相関は違う。
人間は理性的に判断するよりも感情で判断してしまうことが多い。
文章を選んでもらう。
確率的に、受験生の肌に合わない文章を減らすため。
受験生のいろいろな経験にヒットする文章を選べる(受験生のポテンシャルを高めてくれている)
問1から問いが続いている可能性がある。どの文章を選ぶのか、問を全て読んでおき、しっくりくる文章を選ぶ。
問1:読み取り(データを収集する利点と難しさと限界。
▶︎資料1 統計学の歴史
統計学が生まれた背景
国勢学:人口や産業を対象にする
社会現象を対象にする(大数の法則ー大量の標本数で規則性がわかる)
かくりつろん:未来を予測する
3つを融合した国勢調査
利点
難しさ:標本の数を集める
▶︎資料2 統計学をめぐる状況(戦後から現在)
難しさ:統計の質の悪さ。
データに基づく(客観的な認識に基づく)意思決定がされていない。
国民が事実に基づき客観的合理的に判断し国の方向性を決定で生きるような統計への認識と理解を持つことが必要。(統計教育)
コンピューターが発達・普及
ビッグデータにより新しい知識が得られる?
問題発見解決の統計教育カリキュラムの整備
ベイズ統計(条件付確率)
利点:統計的証拠が科学的証拠のひとつとして考えられる。
難しさ:科学的証拠に統計的証拠を入れるべきではないとする意見もある。
▶︎▶︎資料3 数量的把握の意味について(社会科学における数量的認識のあり方)
利点:個々人の移り気や好みや感情に左右されない◉
難しさ:見せかけ状の正確さを与えて人を誤らせる危険性
信頼(主観・感情)と信用(客観・合理)の違い
人を信じる。
数を信じる。
数量的表現により付加される「客観性」
意味するところを明白にする「客観性」ー人口が多い=人口が300人(事実をチェックできる)
命題の間の論理的関係が明確になる(因果)◉
量が関係を明らかにするのに有効
数字には誤差が含まれていても差し支えない(存在よりも構造が重要)
?????
データを分析して得られた数量的把握は、意味するところを明確にする「客観性」を命題に付与することができる。また、現象の因果関係を説明する際に、数量が具体的に確定していない状況であっても、対象の間の形式的な関係、構造を導き出すことに数量的表現の有用性がある。だが、見かけ上の正確さを与えて人を誤らせる危険性や、対象に形式的な関係を当てはめるこのとの妥当性を考慮しなければならない難しさがある。
▶︎▶︎資料4 統計学と経済学に関連した問題について
統計学とは?数字データの性質を分析する方法の「ゆるい連合体」
「統計学的なものの見方」(体系的ではない)◉
異なる対象について同じ方法が有効
対象を分析する共通な観念がある
体系的ではない。人為的。主体の観点が必要。◎
現実に与えられたデータから出発する。
特定の目的に利用する主体の観点を導入する必要がある(適切な統計的方法は主体により異なる)
数字データは対象の量的性格を表さない。統計は人為的な操作を付け加えたもの。
統計的方法は過程指向的経験主義的性格(経済学者とのものの見方の違い)◎
統計的方法によって科学的「法則」が発見された事はない。
経済学者 「公理」から出発して数学的論理(関係式)を作り出す。
「理論モデル」によって現象の背後にある本質に到達したと感じる。
統計学者 関係式がどの程度の範囲で成立するのかに関心を持つ(没理論的)
「理論モデル」の妥当性を相対的に高める。
▶︎▶︎資料5 意思決定とデータとの関係(個人)
数字の客観性は人間の主観から生じるもの(つじつま合わせで数字を作ることができる)
日本の意思決定システムの内実◎
データの持つ現実の数量的な把握は意思決定をする判断材料にすることができる。だが、データを理解するためにはデータを利用する目的に対して主観的に統計処理をされる過程が必要であるため、データが意思決定をするための判断材料としてではなく、決定された意思を正当化する材料として収集・分析されてしまう。データにはこのように、分析・収集を通じて客観性を保つ難しさがある。
資料6 意思決定とデータとの関係(組織)
▶︎資料7 裁判における確率統計の誤用例
問2:踏まえる
①(4)外国人観光客の誘致による雇用促進
②
外国人観光客がどれだけ来たか。
雇用がどれだけ変化したか。
③
(駅からの)公共交通機関利用人数+宿泊人数×宿泊日数+ツアーの参加人数を(A)とする。
駅前の案内所に来た人の数をAとする。
小さな土産屋さん、自営業の店で雇用が増えることは見込めないと仮定して(増えたとしても統計的に顕著に現れてこない)、企業が「外国人観光客の誘致」をする主体となる企業が雇用した人数を「外国人観光客の誘致による雇用促進」の結果(B)とする。
雇用がどれだけ増えたか。
雇用が増える状況になるか??????
具体例:利賀芸術祭・瀬戸内芸術祭・京都
ほとんど増えないんじゃないか????
問3:踏まえる(指標の自己批判・不完全さ・客観性を欠く部分)
資料を踏まえて考えていることをアピール
↓書く必要がある???
以下、外国人観光客を誘致するのは小規模な地方自治体であり、観光客は日帰りと仮定する。
答え
この指標は「外国人観光客の誘致」が適切な政策かどうかのフィードバックを得て、政策を継続・改善していく意思決定を行うために持ちいられる。
だが、この指標の限界は、外国人を誘致したからといって雇用が増えるわけではないため、雇用者数のデータを収集することが難しいことにある。土産屋さんの店員さんは増えるのではなく、忙しくなるだけかもしれない。もしお土産の饅頭がよく売れたとすれば、饅頭を生産する別の都市の雇用者数が増えるだろう。「(とある地方自治体の)外国人観光客が増えた」即「(その地方自治体の)雇用者が増えた」ということはできない。「外国人観光客の誘致による雇用促進」を課題として掲げることが適切か、特定の目的に利用する主体の観点を導入する必要がある。「雇用人数」を課題として掲げることが妥当なのかどうか、吟味をする必要がある。
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