慶應SFC小論文模範解答例(環境情報・総合政策0

因果と相関の違いを学べる!慶應大学SFC総合政策学部2017小論文の模範解答例

因果と相関の違いを学べる!慶應大学SFC総合政策学部2017小論文の模範解答例

 

総合政策学部の理念:問題発見・解決
総合政策学部は「問題の発見」を重要視している。
原因の分析・問題の原因をはっきりさせることで解決策を提案できる。
環境情報学部は「解決」を重要視している。
問題を解決する発見・創造が社会に与える影響まで考えられる。

問1:因果関係と相関関係とはどう違いますか。(資料1から4)

相関関係から因果関係に迫るのは何をすればいいか。

相関関係は、ある事象とある事象が何らかの関連性を持っていることを表している。相関関係のうち、先行する事象がもう一つの事象を導いている関係を特に因果関係と呼ぶ。相関関係を洗いざらいに観察し、書き出し、ある事象を引き起こす原因と呼べるかどうか吟味することで、相関関係から因果関係を抽出できる。因果関係のある事象には時間的に離れているもの、いくつかの原因が組み合わさって初めて結果が生まれるもの、原因が複数あるもの、確率的に結果が生じるものがあり、事象を含めた全事象を観察することで多くの相関関係から因果関係を見抜くことができる。

見せかけの相関関係(潜在変数がある場合ー別の因果関係が存在している)
生産性が上がったからコーヒーを飲んでいるのか、コーヒーを飲んでいるから生産性が上がったのかわからない。どちらが原因でどちらが結果かわからない。(先行する事象はどちらか)

身体上の特徴が原因となって出世や所得に影響するという因果関係があるか。
身分が高いほど体格が良かった。(栄養状態がいいから)
裕福な家庭は
栄養容態がいい
高い教育を受ける
どちらが出世の原因になっている?
出世の原因は所得
見かけ状の相関=因果関係のない相関関係=偽の相関

資料1

現象を理解し、予測に役立てるのが19世紀までの科学ー順問題
ー逆問題
現象の原因により結果を説明する。
現象の結果により原因を説明する。

資料2

相関関係:力の入れ方と壊れ方
因果関係:一定の力で叩けば必ず毎回腕時計は壊れる。

因果関係:わかりにくい
エンジンの不調の原因は?ー原因が複数ある。
糖尿病になったのは生活習慣?遺伝?
糖尿病にかかった原因は?ー時間的に乖離している。
時間的近接性がない。
カロリーの過剰摂取で糖尿病にならない人もいる。
恒常的連結性がない。
特定病院ろんではなく確率的病因論にならざるを得ない。

社会における人間の行動になると自由意志や相互作用も関係するのでよりむずかし。

原因となるものが客観的に測定可能か。
実験をすることが実際にも倫理的にも難しい。

資料3

相関関係:コーヒー消費量と生産性

相関関係は因果関係を表さない。
生産性が上がったからコーヒーを飲んでいるのか、コーヒーを飲んでいるから生産性が上がったのかわからない。どちらが原因でどちらが結果かわからない。(先行する事象はどちらか)

見せかけの相関関係(潜在変数がある場合ー別の因果関係が存在している)

資料4

身体上の特徴が原因となって出世や所得に影響するという因果関係があるか。
身分が高いほど体格が良かった。(栄養状態がいいから)
裕福な家庭は
栄養容態がいい
高い教育を受ける
どちらが出世の原因になっている?
出世の原因は所得
見かけ状の相関=因果関係のない相関関係=偽の相関

 

問2:糖尿病の死亡率と平均年収の間の関係の構図をかく(資料5から7)

要因を加える。
平均年収と糖尿病の死亡率の両方に関係するものを探す。

正直、僕が途中で嫌になった問い。
要因は考えれば考えるほど出てくる。
出てくる要因と要因の関係を一つ一つ考察しなくてはならない。

 

問の狙い「様々な要因を正しい関係で捉えられるか」「資料を使っているか」踏まえているか。
資料2:原因構造(資料)
資料3の図を参考にする。
資料4:見かけの相関

糖尿病Ⅱになる原因:慢性的な血中ブドウ糖濃度の高さが引き起こすホルモン異常
特に高脂肪食などの過食や運動不足といった生活習慣の乱れ
糖尿病は、血糖値と呼ばれる血液中のブドウ糖濃度が、適正値よりも高い状態が慢性的に続く病気で、血液中のブドウ糖を細胞へ届けるインスリンというホルモンの分泌不足や働きに異常が生じることで発症します。

平均年収の低さに関わる事象
アルバイトだけ。働く時間が少ない(暮らすだけで満足している人)
労働環境:

糖尿病死亡率の高さに関わる事象
貧困:家庭が貧困。食生活が乱れている(自炊しない。コンビニ弁当。お菓子。)
貧困:自分の心をコントロールし、ストレスマネジメントをする能力のなさ

社会構造
糖質の多い食べ物が売られている。
デスクワークが増え、運動する機会が減ったー労働環境
ストレスが多い労働環境

 

ーーーーーーーーー

答え:平均年収の低さとの関係を考えなかった場合。

家庭の食習慣→過剰カロリー摂取→糖尿病死亡率の高さ

高カロリー・バランスの悪い・栄養価の低い食品市場の拡大

デスクワークが増え、運動する機会が減った→ブドウ糖の消費量低下→糖尿病死亡率の高さ
↑↓
ストレスの多い労働環境→ストレスマネジメント力の低さ→過剰カロリー摂取→糖尿病死亡率の高さ

耐え忍ぶ日本人の民族性

ーーーー
答え:平均年収の低さとの関係を考えた場合。

平均収入が低いことから糖尿病死亡率の高さを導き出せない。

家庭環境
衝動的な時間の使い方をする・計画性がない→平均年収が低い
↑↓
●←→健康に対する意識が低い→健康を害してしまった→仕事ができない→平均年収が低い
↑↓
●←→家庭の食習慣→過剰カロリー摂取→糖尿病死亡率の高さ

社会環境
●高カロリー・バランスの悪い・栄養価の低い食品市場の拡大

労働環境
○⊃充分な賃金が与えられないことによる不安
○⊃デスクワークが増えた→ブドウ糖の消費量低下→糖尿病死亡率の高さ
○⊃労働時間が増え運動する機会が減った→ブドウ糖の消費量低下→糖尿病死亡率の高さ
○⊃ストレスの多い労働環境→ストレスマネジメント力の低さ→過剰カロリー摂取→糖尿病死亡率の高さ

○社員の福利厚生を考えない過剰労働

社会環境  ↑
耐え忍ぶ日本人の民族性

問3:わかりやすく文章で説明。

平均収入が低いことが原因となって糖尿病死亡率が高くなるという結果が生まれるのではない。この2つの間にあるのは相関関係出会って因果関係はない。相関関係が生じる理由は以下の3つの環境が平均収入と糖尿病死亡率の両方と相関関係を持っているためである。過剰にカロリーを供給する食品市場が生み出す社会環境、耐え忍ぶ日本人の民族性に加えてストレスが絶え間なく降り注ぐ労働環境、そして食習慣を形成する家庭環境の3つである。

 

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資料5

「自制する能力」の本当の原因は何か。
創意工夫する能力
民族的な文化
約束をする大人を信用するか

 

資料6

思いが行動を起こす。思いが原因になって行動するという結果が生まれる。
結果「行為」は偶然、幸運ではない。自分の心をコントロールする努力の結果だ。

資料7

社会免疫学

身体的
心理及び行動を通じ神経内部筆的な経路から影響を受ける。
心理的
ストレスが身体機能に影響を与える。
社会的
社会構造(社会環境労働環境)ー健康と疾病の分布を形成する
人の行動が社会規範や学習に影響されている
経済的水準の低さや貧困
GNP(物質的豊かさ)と平均寿命の相関関係
社会関係資本(相互扶助に対する考え方・規範・相互信頼)
個人を支え、集団としての行動を促進する。公共の利益を生み出す
「他人が自分を利用しようとしている」と考える人が多いと年齢別死亡率が高い。

社会構造はライフコースの初期に人の検定を決定する要因になる。

 

貧困ー喫煙・服薬・病院へのアクセスのしやすさー喘息

 

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