札幌保健医療大学看護学科・栄養学科の小論文解答例【踏み込みの浅い筆者の代わりに踏み込む】
筆者の課題文
子どもたちに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で2286カ所に 上ることが運営団体の調査でわかった。
子ども食堂は始まってまだ5~6年しかたっていない。地域住民主体の活動がこの ような勢いで全国に広がっていることを心強く思う。
まともな食事が学校の給食だけだという子どもの存在が話題になったのは、 2009年に政府が初めて子どもの貧困率を公表したころだ。過去1年に家族の必要 とする食料を買えなかった経験のある世帯が約5%との調査結果もある。
4年に施行された子どもの貧困対策法が弾みとなり、地域住民やNPO法人、社会 福祉法人、企業などが子ども食堂の運営に乗り出した。 困窮家庭の子どもへの食事提供などの生活支援が、当初の子ども食堂の目的だ。た だ、子どもの貧困は表面上は見えにくく、真にニーズのある子だけを集めるのは難し
このため、困窮家庭の子のみならず、一般の子どもや1人の暮らしの高齢者の受け 入れも増えてきた。最近は地域住民の「よりどころ」としての機能を担う子ども食堂 も多い。
誰もが気軽に運営に参加できるところがメリットだが、その反面、運営基盤の弱さ も指摘される。資金や人手が足りないため、月1~2回しか開催できないところが多 い。食中毒などの衛生面、事故や火災などへの安全管理も懸念されている。
ただ、国や自治体に財政支援を頼ると、規制が強化されて運営主体が制限される恐 れがある。即効性のある「成果」も求められがちだ。
(中略)
かつては親に養育能力がない場合でも、親戚や近隣住民の中に補完的に子どもの世 話をする人がいたものだ。しかし、家族や地域の人間関係が希薄化し、支え合い機能 が縮小しているのが今の状況だ。
乾いた地域社会にとって、子ども食堂は小さなわき水に過ぎないかもしれない。し かし、地域から自発的に始まった取り組みが全国に広がっている。子どもたちを潤そ うという活動を枯渇させてはならない。
(出典 : 毎日新聞社説 2018年4月5日 東京朝刊)
出題者の問い
問一 下線部「乾いた地域社会」について、筆者はどのように考えているか、文中の
言葉を使用して、二○○字以内で説明しなさい。
問二 課題文を読んで「子ども食堂」についてあなたの考えを六〇〇字以内で述べな
さい。
おとのねさんの回答プロセス
メモ
子ども食堂
小さな湧き水
まともな食事が学校の給食だけだという子供
子供の困窮対策法
やってみて
一般の子供や一人暮らしの高齢者の受け入れ
運営基盤の弱さ(資金・人手・安全管理・成果?)
かつては
乾いた地域社会
子供の世話をする人がいた。
家族や地域の人間関係が希薄化し、支え合いの機能が縮小している。
問1
かつてはまともな食事を子供のためにつくれない親がいれば、親戚や近隣住民の誰かが親の代わりに食事をつくり支え合っていた。だが、現在は家族や地域の人間関係が希薄化し、地域住民が自発的に子どもの世話をする機能が縮小している。そのため、過去1年に家族の必要とする食料を買えなかった経験のある世帯が約15%あるという調査結果もある。筆者はこのような地域社会を「乾いた地域社会」と考えている。
問いの解釈:子供に限定してのべていいの?
問2
《表明》
「子ども食堂」は筆者のいうように乾いた地域社会の湧き水をつくる活動である。だが、現実には資金不足・人手不足・安全管理の要求といった運営基盤の弱さがあるために湧き水すら枯渇しそうになっていると筆者は述べている。
だが、筆者は「子ども食堂」の本質に触れていない。「子ども食堂」の目的は、子どもたちに無料や低額で食事を提供することではなく、「子ども食堂」という活動を通じて人と人の関わり合いと信頼を取り戻すことでなければならない。なぜなら、「子ども食堂」を持続的に運営すること自体が、かつての地域社会にあった人と人の支え合い機能を取り戻すことであるからだ。
《本文》
資金不足の問題は国や自治体の財政支援ではなく、地域住民にクラファンで支援を募ることができる。人手不足の問題もお金で解決するのではなく、食堂を利用する子供たちや、退職した高齢者自身が働くことで解消されるし、クラファンでボランティアを募ることもできるだろう。安全管理の要求は「子ども食堂」の利用者と運営者の信頼の問題であり、「子ども食堂」を家庭の一部として利用者に認めてもらうことで解決できる。
《メッセージ》
「子ども食堂」の目的は地域社会で人々が人間関係と信頼を取り戻すことであり、「子ども食堂」だけでこの目的を達成する必要はない。私は私が人を信頼し、私が自発的に人と関わりあうということで「子ども食堂」という取り組みに関わっていきたい。
(548文字)
このように「子ども食堂」という取り組みは潤いのある地域社会がなければ成り立たない。
だが、これでは「卵と鶏のどちらが先か」になってしまう。
一般的なボランティア活動も「子ども食堂」と同じことが言える。
地域社会にある資源を有効に使うために、クラファンを軸にして
制度化されるまえの福祉のあり方を
湧き水の
問2の問いの解釈(自問自答)
ボランティア活動に普遍化して良い?NG
貧困について語ってもいい?NG
「水」だから中村さんが運河の話する?(主体性ある思考)
やめたアプローチ
「子ども食堂」は筆者のいうように乾いた地域社会の湧き水をつくる活動である。だが、私は湧き水を掘る活動だけではなく、大規模な治水工事を行う必要があると考える。なぜなら、筆者の述べているように、湧き水がいつ枯渇するかわからない不安定な状況にあるからだ。
私に何ができるか。!!!!!!!!《メッセージ》で書くことにした。
《表明》不採用
私はまず「子ども食堂」の運営基盤を強くするためにできることを述べ、次に「子ども食堂」の活動のために私ができることを具体的に述べる。
ポイント
社説は、読み取りにくい?←というより思考ツールを学べない。
筆者は踏み込んでいない。私は踏み込む。!!!!!!!!!
出題者の問い「筆者はここまでです。あなたはどこまで踏み込んで考えられますか?」
自分の知識から引っ張ってくる書き方。しなくてよかった。
筆者の書き方まねていいの?(湧き水)
比喩は使わないほうがいい。
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