医学部・獣医学部の模範解答例

北里大学獣医学部の小論文模範解答例【出題者の問いを読み違えた件】

北里大学獣医学部の小論文解答例【出題者の問いを読み違えた件】

北里大学・獣医学部・動物資源科学科

課題文

将棋界の藤井聡太四段の快進撃がついにとまった。とはいえ,29連勝とはたいへんな偉 業である。

もって生まれた天賦の才はあるのだろうが,彼は,AI(人工知能) の将棋ソフトを使って 練習を重ねた,という。今後,AIによる訓練が標準化することは必定であろう。

練習ならよいが,実際に,すでに AIと人間の棋士の対決は,ここ2年間,AIが勝って いる。昨年には,囲碁で韓国人の世界トップ棋士相手にAIが4勝1敗で勝利した。前世紀 末には、チェスでもAIは勝利している。現時点でいえば,この種の能力に関しては,AI は人間よりもはるかに上である。ゲームに限らず,将来,AIは人間の頭脳をはるかにしの ぐ仕事をするだろう,とも思えてくる。

今日のAIは,ビッグデータなる膨大なデータを用いて, ディープラーニングと呼ばれ る自らの学習機能を持っているそうで,思わぬことを「考えだす」らしい。そこにまた,あ る種の恐ろしさもあって、たとえば,囲碁での対決において AIは一度だけ敗北したが, その時には、思わぬ「奇策」を考えだし,そのあげくに自滅していったそうである。

これが囲碁であればよいが,仮にわれわれの日常生活に入り込んだAIが,あまりに独 創的なことを考えだすとすれば,果たして,われわれ人間はそれについていけるのであろうか。

今日の科学・技術の展開は,イノベーションの速度の高度化というだけではなく,何か, 根本的に新たな段階に突入しようとしているのではなかろうか。この20年ほどの脳科学や 情報技術の展開の上にAIやロボット技術がはなばなしく進化した。生命科学の発展は, 細胞や遺伝子レベルで,従来とは大きく異なった医療を可能としつつある。果たして,こ うした技術の展開を,これまで同様の科学・技術の延長上において理解してもよいのだろうか。

設問

AI(人工知能)は,人間と動物の関係や細胞・遺伝子レベルの生命科学を含む「動物

資源科学」領域においてどのように活用されることが期待できるか,予想されうる

問題点も含めてあなたの考えを800字以内で述べなさい。

 

おとのねさんの解答プロセス

メモ

人間がAIで訓練する。
人間がAIに負ける。

将来、AIは人間の頭脳をはるかにしのぐ仕事をする?
(=人間の代わりになる)

AIは思わぬことを「考え出す」らしい。
ビッグデータとディープラーニングで学習機能をもっている
=ある種の恐ろしさ
思わぬ「奇策」を考え出し、囲碁での対決で自滅した。

AIが独創的なことを考え出すとすれば、人間はついていけるのか?

AIと一緒に仕事する????
根本的に新たな段階
脳科学や情報技術とともにAIやロボット技術が進化した。
生命科学においても従来とは大きく異なった医療を可能としつつある。

これまでの科学・技術の延長上において理解してよいのか。

問いの解釈

「AI」を生命科学の領域で使うメリットデメリットと+アルファ???
根本的に新たな段階とは?

細胞や遺伝子レベルの話をどうしたらいい?想像力??????
あなたはAIを理解していますか。

結局、「あなたの考え」のなかに、これを含めてね、と言っている(メリットデメリットを述べよ、ではない)

自問自答

人間の代わりにAIを使える仕事とは?
どんな状況???

AIは学習機能(フィードバック機能)を持っている。

人間と動物の関係
セラピー:動物の代わりにAI使える?(センサーで相手が喜ぶことを学び、応えるようになる)
畜産(食料):人間の代わりにAIが飼育する。(センサーで温度管理、健康管理など行う)

細胞・遺伝子レベルの生命科学
発生工学(生殖):
微生物学(共生)
代謝(病気)

(食の安全、生殖補助医療、医科実験動物、動物介在活動)

 

解答

《表明》「伝えたいこと」
これまで「動物資源科学」領域で活用してきた科学・技術の延長上でAIを理解してはいけない。なぜなら人や動物の命にかかっているからだ。畜産の分野で期待されるAIの活用とその問題点を論じる。

《本文》「伝える」

畜産の分野では、人間の代わりにAIが飼育環境を管理することが期待できる。センサーで温度といった飼育環境をモニターし、血液分析などで家畜の健康管理を行い、換気や飼料を適切に調節することで飼育環境を整えてくれるだろう。動物の健康状態と環境要因をフィードバックし、動物をより健康にすることができる。また、交配される雌雄の遺伝子データや形質の膨大なデータを処理させてよりよい遺伝子をもった動物を生み出すことができるだろう。

しかし、AIとともに仕事をすることで予想される問題点がある。交配させる雌雄を選ぶためにコンピューターの内部でデータを解析させるだけであれば、AIは人間をはるかにしのぐ仕事をしてくれるだろう。だが、情報技術の領域であれば「失敗」で済むことが、動物資源科学領域では許されないことがある。命に関わることである。

1つ目。筆者が述べるように、AIの学習は完璧ではない。畜舎の管理を誤れば、動物は死んでしまう。2つ目。AIは人間の代わりはできるが動物の代わりはできない。アニマルセラピーの分野では動物の代わりにAIを使ったロボットが利用できるようになるかもしれない。センサーにより何をすれば相手が喜ぶことを学び、応えるようになる。だが、もしAIが誤作動を起こせば人が危険に晒される。

《メッセージ》
科学・技術の展開は「動物資源科学」領域まで広がってきている。動物に限らず、人間の医療の現場でもAIの活躍が期待されているだろう。だが、AIはまだ生命の尊さを学習するに至っていない。したがって、命への責任を負いながら命に関わるには、今のところAIは役不足である。AI自体が根本的に新たな段階に到達することを期待したい。

 

ポイント

結局、問いの解釈で揺れてしまった。

「あなたの考え」のなかに、これを含めてね、と言っている。

メリットデメリットを述べよ、とは言っていない。

適切な具体例を出しているか。(その技術はAIなのか、ただのプログラムされたロボットなのか)「学ぶ」という言葉を使いたい。

筆者の問いに答える「やさしさ」基づいて「論」を立てる。

想像力が問われた?知識が問われた?

「問題提起をしてほしい」→しました。

AIのプログラミング次第では「危険回避」もできる??????

削除
AIがこれまでに利用されてきた分野とこれから利用されるであろう生命科学の分野の違いに触れ、動物に関わる

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました