大学受験小論文の設問を読み取る・設問の型、設問タイプ
大学受験小論文の設問を読み取る・設問の型、設問タイプ
小論文には設問がある。
何を書いて欲しいのか、採点者が何を聞きたいのかを読み取る文のこと。
果たして設問を読み取れているのか?
justifyは正当化。とある主張の正当性を述べる。
examineは曖昧。大抵何をexamineするか指定されている。
analysisは分析、疑いをかけたり、なんなりして、何かを探し出すこと。
話は逸れるけど「考えを述べよ」という日本語に対応する英語はたくさんある。
argue, illustrate, describe, address といったように。まぁどれでもいいだろう。
僕は、大学受験小論文の設問は大きく3つのタイプに分けられるかなと思った。
一つ目は「現代文」タイプ
言い換え・読み取り・要約。
図表を見て気がついたことを書く。本文から情報を抽出する。現代文と変わらない(一部推論するのが違う)。理解を示すといい。
このタイプの小論文らしい問いは、本文がなく概念が出され、それを現実に落とし込んで、applyさせるタイプ。例えば「◯◯を導入したらどのような効果が出るか」という問い。その概念に関する幅広い知識を知っていないと答えにくいだろう。
二つ目は「行動・企画書」タイプ
どのような対策、取り組み、貢献、方策、対応策があるか、あなたはどのように関わるかと聞かれたら何を述べるか?
これはビジネスの世界のプレゼント似ているように思う。
問題を分析して、だからこの行動が有効だと述べるといいだろう。自分が選んだ行動の有用性・有効性を述べる。
三つ目は「探究・価値判断」タイプ
ある主張、話題に対する価値観を表明するタイプ。そこには対立が含まれる。行動・企画書タイプであれば、すでに目標は決められており、その行動の価値を顧みることをせず目標を達成するために有効な手段を提案するのに対し、価値判断型は目標設定自体を対象とする。良し悪し、ある行動が引き起こす副作用、因果、立場、利害関係者、自文化中心主義を前提とするだろう。
あり方、望ましさ、賛成か反対か。もしくは指定された文章に書かれた作者の問いに対する答えを書くときは、その話題に関わる価値を述べることになる。「行為」タイプが、自分の選んだ行動(ある意味で価値判断されたもの)をjustifyすることが目標だとすれば、「価値」タイプは、あらゆる可能性を批判的に検証して自分の価値を捻り出すことが目標になるだろう。批判的思考とは、価値判断を保留すること、とも言える。批判的でないとは、価値に追従すること、とも言える。
想像してみてほしい。
行動型の設問が出された時、私が「価値」について書いたとしよう。もしそれが文章の大半を占めたら、設問に書かれている質問者の聞きたいことを話せたと言えるだろうか。行動を選択するには価値を語らなければならない。けれども、限られた時間で設問に対する答えを書くなら、価値を切り捨ててただただ盲目的にある一つの行動をjustify、正当化したり、その行動をリアルに書き出した方が、受験小論文として懸命だろう。
もし「自由について書きなさい」という曖昧模糊とした問いが出されたら、自分がどのスタンスで答えるかを定めたら、書きやすいのではないかと思う。もちろん、混ぜてもいい。バランスよく書いたらいい。
例えば、「問題点は何か」と聞かれたら、価値からでも行動からでも現代文的にもアプローチしたらいい(私なら価値を問う。その中で行動を論じる)。設問を読み取ることの大事さを感じる。どれにしても、論点を自分で作る問いは、小論文らしい問いだと思う。
情報を整理して、相手に伝わる、相手が欲しい「表現」をする。
その役に立てたら嬉しい。しかしこの記事を読んでくれる人からフィードバックが来ないと悲しい。
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