Stage2

「時間と字数」のマネジメント

受験小論文で困る!制限時間と文字数!目安と程度と配分!何文字程度書く?

小論文で困る!制限時間と文字数!目安と程度と配分!何文字程度書く?

信州大学と慶応大学と都留文化大学で、小論文という戦場で時間と戦う方法を考えました。

入試小論文の要約は字数通りに書いておく。

要約問題はシンプルです。

要約問題は字数をまもって満点を取るように心がけましょう。

問題は・・・「あなたの考え」を述べるところです。

何文字程度、書いたらいいのか気になる人がいるとおもいます。

 

たとえば「3分間、喋ってください」といわれたら、3分間、喋る自由が与えられるわけです。

「3分あるんだから、ここまで説明してくれるかな」といった期待を、採点者はすることでしょう。

だからその期待に応えて書くことが基本ではないでしょうか。

当たり前っちゃ当たり前です。

 

1分なら1分の喋り方があります。

3分なら3分の喋り方があります。

3分あるなら、「論」を立てられるかもしれません。

与えられた字数には、出題者の思いがあります。

 

応えられたら、いいですね^^

みんな「要約」しか書いていない説。

信州大学人文学部後期日程の小論文

信州大学の後期日程の個別試験は小論文だけです。

200点満点中、要約問題が100点です。最後に「あなたの考え」を問う問題がでてきます。

 

で、

最高点170点

最低点110点

とあります。

「要約だけがんばってタイムアウトした人いるんじゃない????」

「もう、小論文・・・・ムリポ・・・」と判断するのも一つの手かもしれません。

 

小論文で起死回生する人のために考察を進めます。信州大学の評価基準は次のように明言されています(明言か?)。

「時間オーバーだ・・・」と思ったら、何か一つの観点だけでも、高得点を出せるように足掻くことも、作戦としてはありだとおもいます。

信州大学の場合は、「知識を出す」か「表現力で攻める」か「創造性を見せる」のどれかを一つ選ぶ作戦で乗り切れますか?

 

慶應大学文学部の小論文

見て見ましょう・・・

文学部は要約と「あなたの考え」の字数制限は同じくらい(500字、500字くらい)です。要約と「あなたの考え」が同じ配点だとしたら・・・・

平均するとみんな「要約」しかかけていないことになる????

都留文科大学教養学部中期日程 の小論文

2020年度の結果を使いました。

前期のセンターの結果です。

中期の結果です。センターだけの結果がでていないので前期の結果を使って仮定するしかありません。

でました。計算式は、、わかりますね!(わかりますか?)

あくまで、単純化した仮定に基づいた計算です。

おいおい、五教科型が167で三教科型が109ってどういうことやねん。

それから、平均点と最高点・最低点のデコボコが気になったので計算してみました。

平均が最低点に寄っていますね。

「点数が高い人」はバリバリ高く評価されているようです。

小論文の配点が大きいので、点差がつくのです。

誠実だ・・・都留文科大学・・・・あくまで推測ですが。

 

次に、「筆者の要約」と「あなたの考え」のパートに分けてどれくらい「あなたの考え」をかけているのか推測します。

 

国際教養学科は英語の問いがあるので計算しにくい。

学校教育学科は要約200字、考え800字

地域社会学科は要約200字、考え600字

字数の数だけ配点されると仮定します。

で、要約をみんな満点とったと仮定します爆

すると・・・

 

考えの配点の半分くらいしかとれていない・・・・

(要約満点でなければ、もっとみんな考えで点数取っていることになります)

要約の字数が少ないため、「あなたの考え」に時間を使える!

という状況だとおもいます。

 

都留文科大学の解答時間は1時間40分です。

兵庫県立大学看護学部前期小論文

200点満点中、合格者最高点が74点って・・・・

過去問をみていないのでわかりませんが、要約書いて精一杯・・・ということでしょうか。それとも、みんな小論文の配点低いからって、捨てている????

 

令和2(2020)年度入試結果及び
合格者平均点・最高点・最低点

信州大学人文学部は鬼、というか何考えているのかわからない件

振り返りまして、信州大学ですが。。解答時間は2時間です。しかも、文章を2つ読むんです。

 

れいわ2年度

  • 要約:200字、200字、
  • 考え:800字

平成31年度

  • 要約:100字、150字
  • 考え:500字、500字

 

鬼です。

これはもう、配点を見て、作戦として「要約」だけすりゃいいんだ、ということになります。

 

結論。

時間と、課題文と、配点と、文字数をみて、「適性試験」としての小論文を乗り切る。

 

「考え」まで書く時間がある大学

岐阜大学後期日程地域文化学部は、、、時間が十分にある!その結果・・・

地域文化学部は小論文だけです。

地域文化学科(2時間)ありがとう!!!!!!しかも配点が300点!!!!

  • 要約:300字(目安)
  • 考え:400字

あ、看護学部は面接もあるので計算できませんね・・・

地域科学部は2時間、という、本当に嬉しい、感動的な配慮をしてくれているのです。その結果・・・

 

「考え」で平均して半分、取れている!!

小論文は、時間のマネジメント能力が含まれているようです。

2時間で700字は妥当!?

静岡大学後期日程人文社会科学部昼間コース

れいわ2年度

90分です。。

結果は・・

経済学科を除いて、「考え」まで書けています。

「考え」は半分くらいの得点率です。

90分でも、合計800字ならばそこそこ書けるらしい、ということがわかりました。

 

徳島大学総合科学部後期日程は2時間で・・・驚異的な結果。

で、課題文が2つ・・・

  • 要約:150文字+300字
  • 考え:800字+600字

2時間で2000字!!!!??????

400点満点なので、しっかりと見てくれているのだとおもいますが。

すごい!!要約はみんなやっていて、「考え」も半分以上取れている!!!え???

 

まて、徳島、どうなっているんだ・・・

2つの課題文の要約をやってから、「考え」が書きやすいのを一つ選んで、書いたものが満点ならこの平均点が出ます。

ようやくと考えの配点がなかったので文字数で区切りましたが、この仮定が間違っているのかも・・・とおもってしまうほど、高得点です。二時間で2000字?

 

・・・わかりません。問いも、まぁ普通の解釈しなくてはいけないやつです。

 

要約の文字数の重みは、考えの半分として計算し直します。

400点満点・・

  • 要約:150文字()+300字(50点)
  • 考え:800字()+600字()

あ、そしたらもっとみんな「考え」で点数が取れていることになりますね。

採点が・・・甘いのでしょうか・・・

 

広島市立大学国際学部は3時間!!!

なにそれ!!!

途中でお腹空くやつですね。ある意味過酷です。

水は飲まないと死ぬ時間です。

国際学部の問題は大門が二つあって、一つは日本語、一つは英語です。配点はちょうど半分だとおもっていいでしょう。で、あー、計算できないな・・・無理な仮定しそうだからやめときます。

滋賀大学教育学部後期小論文は2時間で課題文2つ

2時間です。200点満点です。

課題文が2つあります泣

  • 要約:200字
  • 考え:500字+650字

さて、みてみましょうか・・・・

予想としては、2時間で、考えは2つ書けなかったのではないか。200字満点と500字満点くらいで精一杯だったのでは。

統計処理どうしようかなということで、総合点からセンターの平均点を引きました。

この仮定は破綻しているらしく、最高点が200点を超えました。

この仮定で話を進めると、点差が大きい・・・「考え」の分量が多いため、結果に差が出た、ということでしょうか。

 

もしくは「課題文のどちらか一つに絞って答えた」人が高得点だったのかもしれません。

 

三重大学人文学部後期小論文法律経済学科はほとんどみんな満点???

120分、課題文は1つ。

  • 要約400文字+400文字
  • 考え400文字

うーん、要約が多くて書きやすそう。

各問いの配点がわからないので文字数で仮定します。200点満点。3で割れない・・・

要約の配点:60点+60点

考えの配点:80点

としましょう。

要約は満点で、考えで半分以上とれている!?

2時間ですが、要約が多くて書きやすかったのでしょうか。2時間で「考え」が400字、というのは特殊かもしれません。

高得点になる理由を考えたら、一つだけおもいつきました。

 

解釈が必要ないほどに、「問い」が明確なのです。。。。

配点の仮定が間違っている可能性もありますが!

要約の文字数の重みは、考えの半分として計算し直します。

200点満点でしたね。

  • 要約400文字(50点)+400文字(50点)
  • 考え400文字(100点)

綺麗です・・・こっちの方が正しいでしょう。

それにしても、「考え」の半分はとれていますね。そりゃそうか・・・・

山口大学経済学部後期れいわ2年度は2時間で課題文2つで2,000字??????

課題文2つだし、2つ目の課題文が長いし・・・これで2時間です。ちょ・・・・ちょまてよ!

要約:300字(10%)/+300字(15%)

考え:300字(20%)+400字(20%)/+800字(35%)

結果は・・・

最低点と、最高点の差が開きすぎです。

なぜでしょうか。

課題文が2つあり、1つにつき50%です。

平均して144点(50%)ということは、初めから「2時間以内で解けるのは1つだ」と計算していたからでしょうか。

「課題文を2つとも読もう。全部解こう」と思った人は、どれも中途半端で点数が出なかったのでしょうか。

これは予想というか、想像です。

最高点が261・・・・かける人がいるんですね。

山口大学医学部保健学科後期れいわ2年度

課題文一つ、2時間、

要約:200文字(20点)+150字(20点)

考え:600文字(140点)

こちらは考えに140点という配点。

要約できっちり40点もらって、、、、

考えも半分以上点数とってるなぁ。

2時間で1000字なら、そこそこかけるようです。

 

県立広島大学後期地域創生学科小論文

総得点平均からセンター平均を引きます。

すると108点です。

150点満点、課題文2つ。

考えは要約よりも一文字あたり倍の配点として計算します。

要約:150字(25点)+40(10点)+200字(25点)

考え:300字(90点)

このくらいで良いですか・・・・

すると要約問題すべて満点で60点、残りは「考え」で半分とっている。

試験時間がわからなかったのです。

が、、、

 

熊本県立大学

過去問が載っていなかったのでわかりませんが。。試験結果は次のよう。個別学力試験は小論文のみです。

半分以上取れていますね。

採点基準も配点も文章もわからないのでなんとも言えませんが。

 

佐賀大学経済学部後期小論文

課題文1つ、解答時間がわかりません。

  • ようやく:150字+250字
  • 考え:400字

配点がありません。

仮定します。

  • ようやく:150字(10点)+250字(20点)
  • 考え:400字(70点)

100点満点で平均点は74点くらい。

「考え」が半分取れているパターンでしょうか。

配点自体がとても低く、「小論文勉強した甲斐があったわー!」とは思えないですね。

配点一つで、大学の気持ちがわかる気がします。

長野県立大学健康発達学部こども学科前期

2020年度です。90分です。

読み取りが50点、考えが150点、といったところでしょうか。(配点が書いてありません)

どちらにしても考えで半分くらい取れています。

90分で1000文字なら、みんな、書いているようです。

長野県立大学中期日程 グローバルマネジメント学部グローバルマネジメント学科

2020年度です。90分です。

これがまたすごいな・・・・最高点と最低点の差です。

課題文が英語の文章と、日本語で書かれたグラフです。

配点がなかったので仮定します。

要約:130文字+80文字+80文字(100点)

考え:600文字(200点)

 

合格者最高点でも考えが半分しかとれていない・・とみてよいでしょうか。

なんでだろ?????

 

ありがとう琉球大学。しかし・・・・

これまた配点がわからないので「1文字あたり」考えが要約の2倍の配点だとして計算します。

配点を仮定する時点でこの計算方法が破綻しているような・・・

 

国際法政学科後期

課題文1つ、120分、200点満点、平均点120点

要約:600字ー75点

考え:600字ー125点

 

人間社会学科前期

課題文1つ、150分、200点満点、平均点127点

考え:1200字

 

国際地域創造学科前期論理的思考系

課題文1つ、120分、200点満点、平均点110点

考え1200字

 

国際地域創造学科後期国際的思考系

課題文1つ、120分、300点満点、平均点194点

要約400字ー50点

考え800字ー250点

 

国際地域創造学科後期論理的思考系

 

課題文1つ、120分、300点満点、、223点

要約600字ー100点

考え600字200点

 

2時間で1200字、は、ありがたいとおもうのですが。

 

神戸大学、広島大学も点数を出していましたが、疲れたのでこのあたりでやめます。

おとのねさんの時間切れ対策

もし「要約」を書き終えた後に、「あなたの考え」を書いていて・・・・

 

「あ、時間ないわ」と思ったら!!??

その瞬間、狙いを絞ります。

 

はっきり言って、字数制限を無視します。

少なくたっていいじゃないか!だって時間がないんだもん!

伝えたいことは伝えさせてくれよ!

 

という思いを伝えましょう。

時間切れに対しては、字数制限を無視して書くことで最後の最後まで、小論文をやり遂げてほしいです。500字以内を要求されていても、かまいません。(出題者が400字以上とか指定していたら最悪ですが)

「伝えたいこと」を表明し、できる限り「伝える」ことをしてください。

そして、もしユーモアを発揮できるなら、《メッセージ》に書いてください。

 

時間内に書く。

小論文の一番辛いところだとおもいます。

 

例えばこのように、時間のマネジメント、限られた時間を有効に、いいものを書こう、というのが僕の思いです。

 

時間内に指定された文字数で書くというルールをいかに踏まえるか

入試小論文の時間配分、文字数それが問題だ

採点基準をとりあえず次のように設定しました。

【やさしい人】

  • 文章が読みやすい(礼儀作法・論理的思考の表現がここに含まれる)。
  • 「踏まえて」いる(「読み取り」ができている)。→小論文という議論の場における適切な「論」を選んでいる。

【大学で学ぶ能力がある人】

  • 「この人に入学してほしい」と思える「学びへの構え」が文章から読み取れる。(感情を揺さぶる何かが書かれている。採点者の「好み」に合う)
  • 「論」を発展させている。(「問い」を正しく理解していれば自然と「論」が発展することが多いような気がする)

これらはすべて「主観」で判断されます

主観です。

で、これを時間内に満たして表現すればいいのですが。

おとのねさんの書き方だと「考える」ことに時間を使ってしまいます。

 

字数が採点基準の問題になる可能性

群馬大学の評価ポイントをみると、制限字数よりも極端に短い場合はペナルティーをくらうとあります。

字数について言及する評価ポイントは群馬大学が初めてです。

 

字数制限と時間制限の関係ー文字を書く時間を計測してみる

200文字

たてガキ

超綺麗に
9:28

ちょっと急いだ
5:45

急いで書いた。
3:44

よこがき
超綺麗に
7:40

ちょっと急いだ
6:32

急いで書いた。
3:25

 

400字であれば書くだけで(考えながら書いたら)15分はかかると予想されます。

2題あったら30分、書くだけで必要になる。

考える時間、ない????

高校生が文章を書くスピードの目安は、100文字当たり5分である(600字で30分)。

と書いてあるサイトがありました。この時間を差し引いて、当日どれだけ書くのか、書く内容が決まらなかったらどうするか、シミュレーションをしておきたいですね。

 

時間内に指定された文字数を書くことが「無理」な課題である可能性

おとのねさんがタイムアウトした岐阜県立大学看護学部の小論文の解答例

 

文章は、「読み方」の時点で人により異なって見えるものだという事実は認めてもらえるでしょうか。

「読み方」が違う。

「踏まえ方」が違う。

「書き方」が違う。

(話がそれるが、これだけでも採点基準を抽象的にしか語れないことを、許してくれるだろうか)

 

この事実は揺るぎない。

だが。

だからこそ。

小論文が「無理ゲー」になる瞬間は必然的にやってくるかもしれない。(思考の癖で、考え込む人は特にそう)

 

「この課題文でこの問いならこのくらいの時間で書けるだろう」と出題者は判断する。

だがその判断が間違っている可能性がある

人は完全ではない。

完全な「読み」というものはない。

 

そんな無理ゲーに付き合わされたあなたは「あー書けなかった」と落胆するかもしれない。

これは「運」だからしょうがない。

そうやって諦めるしかない・・・・のか。

 

もし傾向として「無理な課題」を出す大学であるとしたら、対応策を考えることはできるでしょう。

突発的に「イヤイヤ、無理ゲーでしょう」という時間と課題が出されたら。

あきらめましょう。

というしかない。のか。

140字という魔法

ツイッターはどうか。140文字という制限は理由ないもので ない。この文字数はとくに選ばれた長さだ。この長さだと、私たちは 的に読まされてしまう。そして、ここに「予期せぬこと」という問題が関係してくる。予期 せぬタイミングで着信音が鳴ったりバイブが震えたりするたびに、脳はドーパミンを分泌する。(『あなたの脳は変えられる』ジェドソン・ブルワー p.154)

 

時間がなかったら、本文を200字に限定して書くとか、とにかく「精一杯書ききる」ようにしたらどうでしょうか。

試験時間と文字数から受験小論文の評価基準、採点基準を見直す。

あなたの考えを書きなさい?いやいや、考える時間が足りないよ。

 

看護大学の過去問を使って「おとのねさん的に全力」の小論文を書いてみた。

パソコンで打っている、というアドバンテージがあるのに、山梨県立看護大学では時間ギリギリ、岐阜県立看護大学では完全にアウトだった。

タイムアウトした。

 

時間内に書く、という適性試験の要素を今まで考慮していなかった。

「時間制限」の熾烈さというか、理不尽さというか、入試小論文というものの「よくわからなさ」を『小論文に強くなる』で轡田 隆史さんは次のように述べている。

以上、二人の文章をここに丸ごと書き写しながら、わたしは受験生に同情した。

二時間半でこれを読んで、二四〇〇字以内で「自分」について自由に論じるなんて、わ たしにはできない。四○○字詰め原稿用紙六枚分を、何とか埋めることはできるだろうが、 多分、支離滅裂になるに違いない。

ヘンなたとえだが、これを仮に二時間で六枚、として、作家が一日八時間「働く」とす ると、二十四枚という計算になる。これは、ものすごい大流行作家、しかも「乱作」の作 家のペースということになろう。

イギリスの歴史家トインビー(一八八九―一九七五)の文章を書き写すのにわたしは、加藤 さんの文章の倍の時間がかかった。だって、難しいからだ。しかも、丸ごと写したのに、 まだよくわからない。わたしはよっぽどアタマが悪いのではなかろうか。「二つの文章を参考にしながら、自由に論じなさい」と言われたって、文章の意味がわ からないのでは参考にしようがない。

そもそも「参考にしながら自由に論じなさい」というのがわからない。設問としてあい まいだ。 「参考」というのはあくまで参考にするだけでいいのだろうか。 それとも、答案のなかで、この二つの文章に何らかの形で触れなければいけないのだろ うか。

「読む」だけ読んで、あとは文例におかまいなしに、勝手に書けばいいのだろうか?『小論文に強くなる』轡田 隆史 p.200

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「考える」ことを考えてくれている大学

九州大学共創学部のAO入試の小論文

「考える」こと、「書く」ことの重みを理解してくれている大学もある。

九州大学 総合型選抜Ⅰ 共創学部 学生募集要項

小論文を書く時間は2時間。

その前に講義を聞き、レポートを書きながら論点を頭の中で整理することができます。

字数がわからないのですが、まとまった時間を考える時間にあててくれていると思います。

講義→レポート→グループディスカッション(討論)→小論文

これは大学の「知の構築のプロセス」を再現した選抜方法だといえます。

 

共創学部、本気です。

本気具合を伝えている記事はこちらです。

九州大学共創学部と神戸大学に学ぶAO入試【小論文でAO対策する】

九州大学共創学部1

小樽商科大学夜間主・社会人入試と推薦入試

熟慮する時間・・・90分で、2問です。

指定字数がわからないのですが、出題意図の通り、熟慮させてくれているのでしょうか・・・

 

『小論文に強くなる』に書かれている入試小論文批判ー時間配分

受験小論文の出題者は「考えて」かく「重み」をしらない?

一体何を基準に書けばいいのかわからない、宙に放り出される受験生の気持ちがわかる文章です。

小論文に強くなる

2 「入試問題批判」

などと、突然言われるとびっくりするかもしれない。試験場で必死になって答えを書く 受験生にしてみれば、いま現に立ち向かっている問題そのものの「質」の良し悪しについ て考察する余裕なんてないはずだ。

試験とは「絶対的な権力」だ。大学は、受験生たちの上に君臨して、「これを解け!」 と命じる。出した問題は、「絶対に正しく」しかも「絶対に適切」なのである。 ところが現実には、問題そのもののなかに間違いがあったりする「事件」が、毎年のよ うに報告されている。

間違いならば訂正するなり、採点から除外する方法もあるけれど、出題された問題自身 の「質」が低かった場合にはどうにもならない。 受験生にはとんだ災難だが、程度の低い問題も、「絶対に正しい問題」であると信じて 取り組むしかない。

正直いつて、わたしは呆れ返り、絶望した。なかには立派な出題もあるけれど、愚 問、珍問、怪問がむやみに多いのである。殊に現代文がひどい。 (丸谷才一「慶応大学法学部は試験をやり直せ」、『桜もさよならも日本語』新潮社、から)

丸谷さんは、わたしが目を通したのは二十五の大学にすぎないが、主要な大学はかなり はいっているから、これを手がかりに全体の傾向を論じても、見当違いにはならないだろ う、と前置きして、こう断じたのである。具体的に例を挙げているので読んでみると、な るほどひどい。これでは受験生がかわいそう。

東大のある問題では、出題された文章の筆者がわかったので、筆者に直接、問い合わせ てみた。すると、筆者自身でも答えに困る設問があった。丸谷さんもいっしょに考えてみ たが、わからなかったそうだ。

出題者自身が、この文章をまともに読むことができていないから、こんなひどい出題に なってしまった、というのが結論だった。

毎年、大勢の受験生が、膨大な量の出題に挑戦していることから言えば、受験はいまや大きな文化である。「受験文化」。その文化の質がこんな調子では、日本の文明にとって憂 うべきことではないか。丸谷さんの指摘は、文明論としても重要なのに、これにまともに 答えようとした大学はあったのかしら。出題という権力が「絶対」のままに「無謬(間違 いのないこと)伝説」に包まれているのは、おかしい。

丸谷さんの批判は、日本の文明の「質」の問題にとって貴重だが、わたしがいま大作家 のしり馬に乗って、入試問題の「質」についてあれこれ言ったところで、受験生にとって は、何の慰めにもならないだろう。もしも仮に、受験生が「ひどい愚問だなあ」と感じた としても、だからといって答えるのを放棄するわけにはいかない。○点になってしまうか らだ。出題は権力である。受験生は刃向かうことができない。

『小論文に強くなる』轡田 隆史 p.178

 

慶應大学は、文字数にやさしい。

2016年環境情報学部の小論文です。

「1行で簡潔に」とか、嬉しくないですか?涙出ます。

なによりも、「問いを解釈する必要がない」明確な問いを出してくれています。

小論文の「問い」をコミュニケーションの一部として、理解してくれているのではないかと思うのです。今度解いてみようかな・・・・

 

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