進学校で苦しんでいる高校生の代弁をさせてください。


目次


      
  • 1.データを分析したきっかけ(進学高校の偏差値の裏で泣いている生徒の話)

  • 2.富山県立高校の大学合格実績の分析結果と解釈(課題をしても「大丈夫」じゃない高校生の割合)

  • 3.東京都立の進学校と比較する(進学校の生徒の5割以上が中堅大学に行くのは「ふつう」なのか)

  • 4.公立高校入試問題を東京都と比較する(富山県立高校入学時に課題に追いつけない生徒がいるのはどうしてか)

  • 5.私から伝えたいこと(保護者の方へ、中学生と高校生たちへ)

学校に置いてきぼりにされた高校生と勉強してきました。

私の実体験

富山市の大手フランチャイズの塾で働いていたときのことです。 富山高校の生徒がやって来ました。富山大学を目指している高校生です。
学校の授業はわからず、中学校の数学からやり直して勉強しました。
「意味わからん課題はもうやっていません」と話してくれました。
高岡高校の生徒も来ていました。
「数学、もう無理」と話してくれました。
だから塾に来たのでしょう。
ボロボロになって、やって来ます。
どうして大切な学びの場所で、学校で、こんなにも辛そうな高校生がいるのでしょうか。
私はずっと悲しく、塾での指導に熱をだしていました。
私はツライ気持ちで勉強して成果がでるわけない、と思っています。

高岡高校、富山高校、富山中部高校で成果がでるのは3割

富山市、高岡市の高校の合格実績を分析しました。
どれだけの高校生が課題で苦しんでいるのか、そして結果を出せないのか、客観的な数値で知りたかったからです。
私の前で苦しんでいた生徒は「例外」なのかそれとも「進学高校によくいる」高校生なのか。
本当のことを知りたかったので調べました。

  • 高岡市の高校の偏差値と合格実績
  • 富山市の高校の偏差値と進学実績

数値の出し方、仮定が知りたい詳しく知りたい方はyoutubeでみてください。
(「難関大学」の定義の妥当性の検討から始めています。)
この分析結果から何が読み取れるでしょうか。

「すごい、たくさん難関大学に合格している!」とおもうでしょうか
私は「泣いている子の代弁をする」という立場で解釈したいとおもいます。
進学高校の生徒全員が難関大学を目指した授業を受け、課題を与えられている。
ということが前提になります。(もちろん、難関大学を目指していない生徒もいるはずですが)

結果:富山中部高校の3割の生徒と富山南高校の3割の生徒は大学受験時に同じ結果を出す。
解釈:全員が難関大学を目指す富山中部高校で置いてきぼりにされ生徒は少なくとも3割いる。

結果:高岡高校、砺波高校の6割の生徒は富山東高校、福岡高校、高岡南高校と同じ結果を出す。
解釈:高岡高校、砺波高校で置いてきぼりにされた生徒は少なくとも6割いる。
注釈:砺波高校は既卒生が1割(公表されている)であるため、学校が難関大学向けの指導をしていない可能性が高い。

結果:高岡高校の既卒生でも難関大学に行けるのは3割。中堅大学と同数。
解釈:浪人して難関大学を目指しても成果がでない生徒が多い。

高岡高校、富山中部高校、富山高校に行って「勉強の成果が出た」のは3割だということです。
残りの7割は、進学高校、偏差値の高い高校に行って、成果が出なかった生徒だと、私は思っています。
「課題をして成果が出なかった生徒は進学校に7割いる」これが高校生を代弁する立場からの私のデータの見方です。 繰り返しになりますが、もちろん、高校生活をエンジョイしている高校生も、たくさんいます。

進学高校だから、仕方ない?

高岡高校、富山高校、富山中部高校は御三家だし、ついて行けない生徒がいても仕方がないよ。
という人がいるかもしれません。
進学高校は、全国どこでも同じような結果がでるのでしょうか。

そこで、東京の進学高校の合格実績を調べてみました。
なるべく条件を揃えるため、私立ではなく公立高校を選びました。
結果は、まるで違っていました。

東京の進学高校と比べるのはなぜでしょうか。
富山県の御三家の合格実績を俯瞰的に眺め、相対化するためです。
今まで多くの人が進学高校の「できる生徒」にだけ目を当ててきたと思います。
今私は東京都の進学公立高校と比較して、進学高校の「できない」で困っている生徒に光を当てています。

「本当に半分以上の生徒が中堅大学にしか行けない学校を進学校と呼んでいいのか」
私は疑問でした。
進学校だからと夢を見て「学校で与えられたものをやれば、大丈夫だ」と言われて大丈夫じゃなかった生徒が
半分以上いる学校を、進学校と呼べるのかという問いへの答えです。
既卒生のうち中堅大学合格者が3割、その他4割の高岡高校の数値が、
苦しみ抜いて、たどり着けなかった生徒の数だと私は解釈しています。

東京都と富山県を比較する際にいくつか注意点があります。
東京都の進学高校は「その他」が多いですね。ここにはおそらく難関私立大学が入ります。
東京では「国公立指向」というものが富山県ほど強くないためです。
また東京都の進学高校では多くの生徒が「首都大学東京」に行きます。
この大学は、ギリギリ難関大学の定義に入れなかった、準難関大学です。
その数値を入れたら、この差はもっと広がります

なぜこんなに差ができるのか。

高校入試問題を分析しました。

富山県と東京都の公立高校入試問題を見比べました。
県内と都内トップの公立高校の違いは高校入学時からあると思ったからです。
違いは歴然でした。

問題の難易度、質的な違いが知りたい方はyoutubeの解説をみてください。
ここで説明することは形式的な違いですが、これだけでもわかることがあります。
結果を見て見ましょう。

富山県の県立高校入試の問題数は東京都よりも(とても)多い。
富山県の県立高校入試の問題ページ数は東京都よりも(とても)多い。

つまり「富山県は一問一答型、覚えていたら答えられる問題を出す」ということです。
「暗記をして入れば答えられる問題を出す」ということです。
一方で東京都はたくさんの情報、仮定、データの中から必要なものを抜き出して答える問題を出します。
もちろん、知っていないと答えられないのは、当たりまえです。知っていることは前提です。


テストが難しいなら、平均点は低いだろう。と思うかもしれません。
顕著な差は見られません。(理科と社会は少し差がありますが、私の主張を逆に指示する結果です)

富山県と違って、東京都では私立高校を目指す生徒がたくさんいます。
もし平均点をあげるような中学生たちが公立高校の入試を受けたとしたら、
この平均点はもっと上がります。
大学受験では東京都の高校生とも競うことになります。
東京の高校生たちと競い合う難しさが、公立高校入試問題に表れていることがわかりました。



この結果を、私は「富山型進学高校の生徒の大半が課題をやっても難関大学に行けない」理由と結び付けたいと思います。
高校入学時に、東京都の県立高校の問題が解けるような生徒でなければ、難関大学には行けないと、私は解釈します。
富山県のトップ校では、高校入学時にすでに難関大学にいける素地をもった生徒と素地をもっていない生徒がわかれているということです
そして学校の課題、学校の授業はこの3割の難関大にいく素地をもった人のために、平等に、均一に与えます。
(「私の受験には必要ない勉強をさせる」と話してくれた富山中部高校の生徒がいます)
富山県の進学高校に入学して、まだこの段階にない生徒、暗記をしてギリギリ入学した生徒が、課題の海で溺れて苦しんでいます。

私は、このデータ分析から、泣いている高校生の物語を作りました。
勉強をして、勉強をして入った憧れの進学高校で、3年間、課題と小テストに耐え抜いて、高校を卒業していく高校生がいます。
私は少なくとも5割いるその生徒たちの代弁をしたつもりです。
(再三繰り返しますが、それでも笑って高校生活を過ごしている生徒がいます。)

私から伝えたいこと(まとめ)

お父さんお母さん、進学高校に入って学校の課題をやり続けても成績が伸びるのは3割の生徒です。
ギリギリで御三家に入ったら、授業にもテストにも課題にもついて行けません。
進学高校に入った後でも、もしかしたらお子さんは進学校のプレッシャーに悩んでいるかもしれません。
お子さんは課題の海で溺れて苦しんでいるかもしれません。課題の森で迷っているかもしれません。
お子さんの声を聞いてあげてください。
塾で学んで良いのなら、ちゃんとお子さんの気持ちに向き合ってくれる先生を見つけて欲しいと思います。

中学生のみなさん、偏差値の高い高校、御三家を目指していますか?
結果を見ての通り、もしあなたがギリギリでその高校に入ったら、きっと課題に悩まされます。
御三家に入っても、6割の高校生は他の高校と同じレベルの大学にいきます。
中学生の時から大学の話をするのは難しいかもしれませんが、高校生活3年間は、進路を決める重要な時期です。
お父さん、お母さんに気持ちを話してみてもしいかもしれません。
私が心配していることがあります。
無理をしてイイ高校を目指して不合格になって私立にいって塾に行くお金がなくなった生徒を知っています。
よくお父さんお母さんと相談してください。

高校生のみなさん、進学高校に入っても、上を目指しても、課題をこなしていても、難関大学に入れる生徒は3割です。
学校やお父さんお母さんから言われて、難関大学を目指していませんか?
もし目指すなら、あなたがちゃんと、学校から自立してちゃんと勉強をしないといけません。
「課題をやっていれば大丈夫」な生徒は3割です。
偏差値にこだわらず、将来に向けてどんな資格を大学で撮りたいか、どんな場所で4年間を暮らしたいか、考えてみてもいいとおもいます。
困った時は、近くにいる誰か、あなたをよく知っている誰かに相談してください。

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