進学校で苦しんでいる高校生の代弁をさせてください。


目次


      
  • 1.データを分析したきっかけ(進学高校の偏差値の裏で泣いている生徒の話)

  • 2.石川県立高校の大学合格実績の分析結果と解釈(課題をしても「大丈夫」じゃない高校生の割合)

  • 3.東京都立の進学校と比較する(進学校の生徒の5割以上が中堅大学に行くのは「ふつう」なのか)

  • 4.公立高校入試問題を東京都と比較する(石川県立高校入学時に課題に追いつけない生徒がいるのはどうしてか)

  • 5.おとのねさんから伝えたいこと(保護者の方へ、中学生と高校生たちへ)

  • 6.「"石川県"は学力が高い」は幻想である理由【全国学力テストの真実】

  • 7.「"石川県"は教育熱心だ」は幻想である理由【教育にかけている税金】

  • 8.石川県の全国学力テストの結果をH19とH30で比べてわかった「凄まじい」こと。

  • 9.おとのねさんからの最後のメッセージ

1.高校に置いてきぼりにされた高校生と勉強してきました。 私の実体験

金沢市の大手フランチャイズの塾で働いていたときのことです。 泉丘高校の生徒がやって来ました。名古屋大学を目指している高校生です。
成績が伸びず、けど難関大を目指してやってきました。
学校で3年間課題をこなし続け、テストに挑み続け、成績が伸びず、
それでも名古屋大学に行きたいからと、受験科目の全てに、必死に取り組んでいました。
その時の不安そうな表情を今でも覚えています。
高校3年生になって「違っていた」ことに気がついて塾に来ていました。
錦丘高校の生徒も来ていました。
ボロボロになって、やって来ます。
目標はある。高い目標だ。けど学校で長文ばかり読んでいて英語ができない。
行きたい大学に行くんだという気持ちと、目の前にある課題のギャップに苦しんでいました。 どうして大切な学びの場所で、学校で、こんなにも辛そうな高校生がいるのでしょうか。
私はずっと悲しく、塾での指導に熱をだしていました。

不登校・転校
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2.金沢泉丘高校でも学校のやり方で成果がでる(難関大学にいける)のは(3割の浪人生を含めた)4割。小松は2割、二水、錦丘、桜丘高校では1割。

金沢市の進学高校(泉丘高校、小松高校、金大附属高校、錦丘高校、二水高校、桜丘高校)の合格実績を分析しました。
どれだけの生徒が難関大学に行けないのか、客観的な数値で知りたかったからです。
私の前で苦しんでいた生徒は「例外」なのかそれとも「進学高校によくいる」高校生なのか。
本当のことを知りたかったので調べました。

  • 石川県立高校進学実績

数値の出し方、仮定が知りたい詳しく知りたい方はyoutubeのオトノネチャンネルでみてみてください。
(「難関大学」の定義の妥当性の検討から始めています。)
この分析結果から何が読み取れるでしょうか。

「すごい、金沢泉丘高校はたくさん難関大学に合格している!」とおもうでしょうか
「あれ?二水や錦丘、桜丘では難関大学に合格していないんだ。小松高校でも2割か」とおもうでしょうか
私は「泣いている子の代弁をする」という立場で解釈してみます。
進学高校の生徒全員が難関大学を目指した授業を受け、課題を与えられている。
ということが前提になります。(もちろん、全員が難関大学を目指しているわけではないですね)

結果:泉丘高校の3割の生徒と錦丘高校、桜丘高校の4割の生徒は大学受験時に同じ結果を出す。
解釈:難関大学を目指す指導をしている泉丘高校で置いてきぼりにされ生徒は少なくともは3割いる。

結果:二水高校、錦丘高校、桜丘高校で難関大学に合格する人は1割以下。
解釈:難関大学を目指した指導について行けない二水高校、錦丘高校、桜丘高校の生徒が9割いる
注釈1:桜丘高校の「中堅大学合格率」は金沢ナンバー1であり、難関大学に行かせるような課題、無理な指導をしていない可能性がある。
注釈2:二水高校、錦丘高校はそもそも難関大学を全員で目指しているわけではなさそうだ。(前提が間違っている)
結果:金沢泉丘高校では3割が浪人しており、現役生だけの合格実績はもっと低いと考えられる(非公開)
解釈:学校の課題だけで、3年間では難関大学にいけない。

結果:小松高校は難関大が2割で5割が中堅国公立に進学する(現役のみ)。
解釈:小松高校の「中堅大学合格率」は石川ナンバー1であり、難関大学に行く生徒とそうでない生徒の両方にバランスのいい指導を実現している可能性がある。(小松高校の生徒に出会ったことがないのでよくわからない)

金沢市の高校は「国公立指向」があるため、「その他」に含まれる生徒は、国公立の試験科目の多さにも耐えられなかった生徒だと憶測することができます。
だとすれば、金沢泉丘高校ですら、6割の生徒が課題・小テストを3年間やり続けて成果が出なかったのだと、私は思っています。
「伸び悩み苦しんでいる生徒は泉丘高校ですら6割いる」これが高校生を代弁する立場からの私のデータの見方です。
それでも、もちろん、満足いく高校生活を過ごして、それぞれの進路に向かっていっている生徒も、たくさんいるとおもいます。
ただ、進学校だからといって、偏差値が高い高校だからといって、大学受験でも同じようにいくとは限らない、ということがわかりました。
ポイント!小松高校は現役生と浪人生を分けて進学実績を公表している!ありがたい!(浪人生の割合は非公表)

伝統
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3.進学高校・偏差値が高いから、仕方ない?

泉丘高校はトップクラスの進学校だし、ついて行けない生徒がいても仕方がないよ。
という人がいるかもしれません。
進学高校は、全国どこでも同じような結果がでるのでしょうか。

そこで東京の進学高校の合格実績を調べてみました。
なるべく条件を揃えるため、私立ではなく公立高校を選びました。
結果は、まるで違っていました。
東京の進学高校では中堅大学に行く生徒と難関大学に行く生徒の割合に差が出ます。

東京の進学高校と比べるのはなぜでしょうか。
石川県の進学高校の合格実績を俯瞰し、相対化するためです。
今まで多くの人が進学高校の「できる生徒」だけに目を当ててきたと思います。
今私は東京都の進学公立高校と比較して、金沢市の進学高校(泉丘)の「できない」で困っている生徒に光を当てています。

「本当に半分の生徒が中堅大学にしか行けない学校を進学校と呼んでいいのか」
私は疑問でした。
進学校だからと夢を見て「学校で与えられたものをやれば、大丈夫だ」と言われて大丈夫じゃなかった生徒が
半分いる学校を、進学校と呼べるのかという問いへの答えです。

東京都と石川県を比較する際にいくつか注意点があります。
東京都の進学高校は「その他」が多いですね。ここにはおそらく難関私立大学が入ります。
東京では「国公立指向」というものが石川県ほど強くないためです。
また東京都の進学高校では多くの生徒が「首都大学東京」に行きます。
この大学は、ギリギリ難関大学の定義に入れなかった、準難関大学です。
その数値を入れたら、この差はもっと広がります

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4.なぜ東京と石川の進学校でこんなに差ができるのか。

高校入試問題を分析しました。

石川県と東京都の公立高校入試問題を見比べました。
石川県内と都内トップの公立高校の違いは高校入学時からあると思ったからです。
違いは歴然でした。

問題の難易度、質的な違いが知りたい方はyoutubeの解説をみてください。otononeのyoutubeチャンネルはこちらから。

ここで説明することは形式的な違いですが、これだけでもわかることがあります。
結果を見て見ましょう。

石川県の県立高校入試の問題数は東京都よりも(とても)多い。
石川県の県立高校入試の問題ページ数(情報量)は東京都よりも(とても)少ない

つまり「石川県は一問一答型、覚えていたら答えられる問題を出す」ということです。
「暗記をして入れば答えられる問題を出す」ということです。
一方で東京都はたくさんの情報、仮定、データの中から必要なものを抜き出して答える問題を出します。
もちろん、知っていないと解けない問題です。知っていることは前提です。


テストが難しいなら、平均点は低いだろう。と思うかもしれません。
顕著な差は見られません。

石川県と違って、東京都では私立高校を目指す生徒がたくさんいます。
もし平均点をあげるような中学生たちが公立高校の入試を受けたとしたら、
この平均点はもっと上がります。
結局、石川県と東京都では、高校入学時にすでに生徒の学習レベルには差があることがわかりました。
大学受験では東京都の高校生とも競うことになります。
東京の高校生たちと競い合う難しさが、公立高校入試問題に表れていることがわかりました。



この結果を、私は「金沢型進学高校の生徒の大半が課題をやっても難関大学に行けない」理由と結び付けたいと思います。
高校入学時に、東京都の県立高校の問題が解けるような生徒でなければ、難関大学には行けないと、私は解釈します。
金沢市のトップ校では、高校入学時にすでに難関大学にいける素地をもった生徒と素地をもっていない生徒がわかれているということです
金沢市の進学高校に入学して、まだ課題をこなす準備がない生徒、暗記学習をしてギリギリ入学した生徒が、課題の海で溺れ、小テストの嵐でもがき苦しんでるのではないかと想像できます。

私は、このデータ分析から、泣いている高校生の物語を作ったつもりです。
  高校生活、エンジョイしている高校生もたくさんいますが、あまりにも「進学校といわれる高校の生徒が、なぜ?」と印象が深かったのです。
勉強をして、勉強をして入った憧れの進学高校で、3年間、課題と小テストに耐え抜いて、高校を卒業していく高校生がいます。
私はその生徒たちの代弁をしたつもりです。

5.私から伝えたいこと(まとめ)

お父さんお母さん、進学高校に入って学校の課題をやり続けても成績が伸びるのは1割の生徒です(泉丘と金大附属は4割、小松は2割)。
偏差値の高い高校に入った、特進クラスに入ったからといって難関大には合格できません。。学校の仕組み自体、上位の生徒のための授業なので、最初からスタート位置が違うのです。 ギリギリで進学高校に入ったら、授業にもテストにも課題にもついていけません。(少子化なのに定員が減っていません)
進学高校に入ったことで勉強をプレッシャーに感じているかもしれません。
お子さんは課題の海で溺れて苦しんでいるのかもしれません。課題の森で迷っているのかもしれません。
最近新しい情報が入り、泉丘高校の定時制は「全日制についていけなくなった生徒」のためにつくられたそうです。なので、他の定時制と違い、課題が厳しく、大変だということです。泉丘高校に定時制ができるくらい、泉丘高校のやり方が堪え難い、という子がいるということだとおもいます。

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#受験生に送る言葉

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中学生のみなさん、偏差値の高い高校を目指していますか?
結果を見ての通り、どこの高校にいっても、大学に入るときはほとんどみんな一緒です。
3割が浪人する泉丘高校に入っても、6割の高校生は難関大学には行きません。
  大学に向けて、自分にあった勉強ができる高校を選んでみてください。桜丘高校や小松高校がいいかもしれません。
無理をしてイイ高校を目指して不合格になって私立にいって塾に行くお金がなくなった生徒を知っています。
よくお父さんお母さんと相談してください。

高校生のみなさん、進学高校に入っても、上を目指しても、課題をこなしていても、難関大学に入れる生徒は1割です。(泉丘は推定3割いる浪人生を含めて4割)
学校やお父さんお母さんから言われて、難関大学を目指していませんか?
もし目指すなら、あなたがちゃんと、学校から自立してちゃんと勉強をしないといけません。
「課題をやっていれば大丈夫」な高校生はほんの一部です。
偏差値にこだわらず、将来に向けてどんな資格を大学で撮りたいか、どんな場所で4年間を暮らしたいか、考えてみてもいいとおもいます。
困った時は、近くにいる誰か、あなたをよく知っている誰かに相談してください。
成績がギリギリな人は、泉丘高校・二水高校に入って課題や小テストに圧倒されるかもしれません。他の高校にいって、自分のペースで自信を持って勉強をするか。
どの高校を選んでも、進学高校であれば課題はついてまわります。高校を選ぶより、高校生活を助けてくれる仲間や先生との出会いを大切にする方がいいかもしれません^^

高校生への質問

6.「石川県は学力が高い」は幻想である理由

オトノネに問い合わせがあり、「なんで実際はこんなに学力が低いのに全国学力テストの成績が上位なのでしょうか」という問い合わせがあったので、真面目に調べて見ました。
肝心なことは「みんなデキる子だから、うちの子も…」と思わないことです。メディアの情報に惑わされない情報リテラシーが大切な時代です。メディアに惑わされず、お子さんをみてあげてほしいとおもいます。
さぁ、本題に入りましょうか。。。
富山県、石川県、福井県、北陸三県は教育熱心だ、教育県だといわれる理由の一つに全国学力テストの結果があります。「石川県はいつも上位!すごいぜ!みんなやればできるぜ!がんばれがんばれ!」というプラセボ効果と、課題の一つの機能である「親の説得」にこの情報が潜在的に使われていると私は思っています。さて、全国学力テストの結果を正しく、誠実に、みてみましょう。

まずは文部科学省が公開しているをまとめ直しました(2018年の結果を使いました)。

元のデータはこちらの国立教育政策研究所のHPでみられます。 全国学力テスト

なるほど、たしかに順位は高いし、偏差値に換算したときも、まさに「優等生」です(偏差値60、70!)。けれども、肝心なことを2つほど、見逃しています。

見逃している点その1:実際の点数差

数字がたくさん書いてありわかりにくいですね。では、次の表をよく見てください。

全国学力テスト 全国学力テスト

何が変わったでしょうか。数値を「正答率」ではなく「正答数」に換算しました。計算式は、わかりますね?笑
数値にあまり差がないなぁ・・・と思った方、僕も同じ意見です笑

さらに情報を抜き出して、わかりやすくしました。

全国学力テスト 全国学力テスト

情報を抜き出しただけです。例えば、小学生の国語のA問題は12問あります。全国の都道府県のうち最高正解数は9.2問、石川県は9.1問、そして、全国平均が8.6問、そして最低正解数は8.2問という見方をしてください。
そうすると、、、石川県は全国の平均とほとんど変わらない正答数です(国語以外の表も同様にみてください)。
これを偏差値にすると、実態がわからなくなります。あまりにも点数差がないので、小さな点差が大きな偏差値の差になってしまいます(たとえば沖縄県をみてください)。
正解数が1問多いだけで、「上位だ!」と喜ぶことができるでしょうか。

ちなみにお隣の富山県は、「全国学力テスト」の対策をしているようです。石川県は、どうですか?
毎年上位にランキングする富山県の学力テストの順位を疑ったことがありますか?あ、秋田県、岩手県も対策問題を説いているようですね。全国学力テスト 事前練習に追われる学校現場 授業が進まない

見逃している点その2:全国学力テストの意味

そもそも全国学力テストは「文部科学省がつくった学習指導要領の内容がきちんと教育できているか」調査するためのものです。公式には平成31年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領をご覧ください(31年度のものですが)。2007年からはじまり2018年までの間に60兆億くらいの税金をかけて調査してきた意味は?あまりにも根が深い政治の話になりそうなので、私はしたくありません。
話がそれましたが。
全都道府県が「平等に」点数をとってくれなければ、文部科学省があまりうれしくないのが、「全国学力テスト」です。
僕の結論はこうです「全国学力テストでは石川県の中学生の学力が高いという結論を導き出すことはできない」。
それでも北陸三県の順位が高い理由は?
お隣の県、富山県の小学校では「学年×10分+10分は家で勉強させてください」という御触れがでています(そして半数以上の子どもたちにとって、その時間内に終わるはずのない分量がでてきます)。ただただ時間をかけて、方法を顧みずに宿題・課題をさせる勉強法で潰れていく「心」があります。
それは軍隊式の教育です。
「混み合い」理論とあそびと月月火水木金金。まだ誰かが「非国民!」と叫ぶ声がコダマする日本。 石川県の学習法は「なんの工夫もなく宿題・勉強をただただひたすらやらせる」ことだと私には思えます。そして小学生、中学生までは、なんとかその結果がでるのです。
高校に行ったら通用しません。
ちなみに、隣の県、富山県の高校生の学力は、全国の平均以下です。石川県で進研模試を受けた結果をお持ちの方、高校3年生のデータがあれば、みせてください! 全国学力テスト

進研模試なので、いわゆる都市部の上位校(私立)などは受けません。なので実際の「全国の平均点」はもう少し高くなります。よって、富山県の順位は、相対的にもっと下がります。
また、これは富山高校の模試の結果(3年生の進研模試)です。奮闘している都市部の浪人生があまり含まれていません。よって、富山県の順位は、相対的にもっとずっと下がります


7.「石川県は教育熱心だ」は幻想である理由

この幻想に苦しんでいる高校生のために統計的に分析した、泣いている高校生のためのデータです。
文部科学省の「学校基本調査」を分析して、「子ども一人当たりにに対し一月に使う教育費(税金)」を計算しました。単位は「万円」です。

    色付けは、
  • 濃い青:ワースト10
  • 薄い青:ワースト11〜20
  • オレンジ:トップ11〜20
  • 赤:トップ10
  • です。
「数千円の違いか」とおもうかもしれません。
そこから何を学び取れるでしょうか?どんな気づきがあるでしょうか?
ただの数字の集まりに、どんな意味をみつけられますか?
私はこの色付けを行うことで、何か有意義な結果がでるとおもっていたのですが。 学校基本調査 学校基本調査 学校基本調査 ーーーーーー 僕がデータをつくりながら感じたことがあります。
1:石川県は、全国的に見て教育にお金を使っていない。

(子ども一人にかける予算が、ランクでいうと平均以下です)


もしこのデータをみて「石川県は教育熱心だ」と言える人がいたら、きっと僕の言っている「教育」とその人の「教育」は違うんだろうとおもいます。
2:人件費を教育にかけていない県と年間平均所得が高い県の相関関係がありそう。(実際石川県の平均所得は全国平均よりそこそこだいぶ高い。)
3:高知すげー!!!!!九州すごい。

もちろん、「お金」だけで換算できない「いい教育」が東京都や長野ではじまっていますね。石川県でも西南部中学校が新しい時代に向けた取り組みを始めています。
「学校基本調査」の計算方法が知りたい方はこちらをご覧ください。
公立学校(小中高)の一人の生徒に使われる人件費を概算して気が付いたこと1

8.石川県の全国学力テストの結果をH19とH30で比べる

石川県の塾で雇われていたとき、「外部模試の過去問を解き、外部模試対策を学校でやっている」生徒がいて驚いたことがあります。その子はもちろん、実力はなくても、テストで偏差値が高くなります。本当に、石川県は小学校・中学校で「学力テスト対策」をしているのではないか、と僕は、疑いました。で、試しに調べてみました。
学校基本調査 最初にとったデータはこれです。H19年の学力テストは一番最初に全国学力テストが(試験的だが)行われた年であって、「学力テスト対策」ができない年です。これとH30年の偏差値と順位を比べました。
すると・・・黄色で塗られた部分を見ての通り、石川県は、恐ろしいほど、偏差値も、順位も上がっています(けど生徒一人当たりにかける人件費は平均以下!)。一体何をしたら、こんなに偏差値が上がるのでしょうか。いやいや、この現象は石川県だけに限らないかもしれないとおもい、H19年とH30年でこんなに偏差値や順位が上がっている県が、他にあるかどうか、調べて見ました。
学校基本調査 学校基本調査

    色付けは、
  • オレンジ:偏差値が10以上上がっている。
  • エメラルドグリーン:偏差値が10以上下がっている。
  • 黄色:オレンジに対応する偏差値(H30年)
  • です。
石川県の、異常さ(物凄さ)にフォーカスしてみましょう。「すさまじい」とはもともと「すさむ」という意味であり、「荒む・遊む」の意味があります。一体、どちらなのでしょうか。 まず、オレンジ色をみてください。
小学校も中学校もオレンジ尽くしなのは、石川県と沖縄県と高知県。

沖縄県:H19年の「お試しテスト」の結果があまりにも低すぎたので、「まずい。これじゃぁ、平等な教育でなくなってしまう」ということで問題をやさしくしたと思われます。もちろん、沖縄、頑張った!かもしれません。

高知県:H19年の結果(偏差値に換算したもの)が悪かったので、教育にかける人件費を増やしたのでしょうか?オレンジ色ですが、それでもH30年の偏差値は50以下です。

石川県:黄色をみてください。H19年の結果も別に悪くないのに、H30年で偏差値70を超えています。なのに、教育にかける人件費は全国的に低い。




石川県は、なぜこのような結果になったのでしょうか。
石川県はこんなことをしているようです。平成19~21年度の3年間悉皆で行われた全国学力・学習状況調査結果について、金沢大学と連携して集計・分析を行い、本県児童生徒及び学校の現状と課題を明らかにした上で、学力向上の中長期的指針となる「いしかわ学びの指針12か条」を策定しました。
この実態がわからないのですが、これがまさに「全国学力テスト対策」だと、私は思っています。小学生のお父さん、お母さん、「全国学力テスト」に似た問題を見たことがありませんか?私には流石にそこまで、わかりません。

とにかく石川県の全国学力テストへの取り組みには、「凄み」があります。それが子どもたちにとってどう影響しているのか、心ある研究者の調査を期待しています。
9.おとのねさんからの最後のメッセージ

おとのねは子どもが子どもらしく、おとのねさんがおじいちゃんになったときに楽しめる世の中であるように、多くの子どもが、そしてお父さん、お母さんたちが、心ある暮らしをする社会を夢見ています。お父さん、お母さん。ブラックで働いて消耗している心を、おとのねを、otonone-オトノネ-で奏でてみませんか?子どもたちのために、お父さんお母さんがもっているチカラをくれませんか?ブラックな小学校、中学校、高校で働いているみなさん、課題・宿題ですり減らしている心を、おとのねを、otonone-オトノネ-で大切にしてみませんか?そして、好きなことを、本気でやって、あなたのチカラを伸ばしていきませんか?おとのねは、世界でたった一人の「あなた」が奏でるオトノネに耳を傾けています。

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ー思春期や発達障害などの発達課題に悩んでいる方ー


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— 藤原和博 (@kazu_fujihara) 2019年1月15日
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